ギギギアル徹底解説
歯車でできた機械
この系統のコンセプトは杉森建が手がけ、デザインは森次慶子が担当した。ギギギアルは、主歯車と小さな歯車、さらに遊星歯車や時計の部品を思わせる外側のパーツからなる、かみ合った歯車の機構を表現している。赤い核はその解釈を強めており、精密機械の軸受けに使われるルビーを思わせる。捨てられた機械でも、何かに取りついた物体でもない。部品の回転そのものが、エネルギーを生み出し、周囲と意思を通わせる方法になっている。
英語名はKlinkとKlangに、金属同士がぶつかる音を連想させる響きを組み合わせたものだ。日本語名のギギギアルは、ギアを意味する「ギア」から来ており、それを繰り返すことで歯車のイメージを強調している。この反復は、デザインから感じられる機械音にもよく合っている。
イッシュからガラルへ
この系統は第5世代で、イッシュの工業技術を直接的に表現する存在として登場した。ギギギアルには、2回攻撃するギアソーサーと、攻撃と素早さを上げるギアチェンジという、個性と強く結びついた2つの技が与えられた。初期の登場作品ではこの組み合わせが提案の中心であり、守り寄りのポケモンが、隙を見つけて物理アタッカーへ変わることを可能にしていた。
世代を重ねるにつれて、アシストギア、じばそうさ、エレキフィールドといった技も増えていった。『ポケットモンスター ソード・シールド』では、序盤からより多くの補助技を使え、ギアチェンジで加速する基本方針も保たれている。また、ギアチェンジがこの系統だけの技という位置づけではなくなったことで、系統固有の印象はやや薄れた。一方、ギアソーサーは今も一族の代名詞として残っている。
進化前と比べた大きな歯車
ギアルはもっとも単純な形で、2つの歯車がつながり、蓄えているエネルギーもまだ限られている。ギギアルはより大きな歯車を加え、小さな機構から完全な構造体へ移る中間段階を表している。ギギギアルは3つの歯車を見せ、トゲのついた4つ目のパーツを備えることで、この発想を完成させた。この最後の歯車は生きた物質ではなく、その点が体全体を意思ある歯車の集まりと見る単純な解釈とは異なる。
マグネトンのような種族と比べると、金属部品がつながり、人工的な構造の中に電気が集中しているという美学は共通している。違いは動きにある。マグネトンが磁気を帯びた本体を中心にまとまるのに対し、ギギギアルは機械的な回転によってエネルギーを蓄え、撃ち出す。また、進化を新しい生物学的器官の出現と考えるより、同じ機構が物理的に拡張されたものとして捉えやすい。
活躍させる方法
実戦での基本は、まずギアチェンジを安全に使えるターンを探すことだ。防御115とはがねタイプのおかげで、ほのお、かくとう、じめん以外の多くの攻撃に後出しできるが、HP60では強力な攻撃を何度も受ける余裕がない。ギアソーサーを耐える相手が削れているか、倒れている状況まで温存したい。
ギアソーサーが主なダメージ源になり、みがわりや、1回の攻撃を耐えることに依存する特性を崩せる。ワイルドボルトはみずやひこうタイプをカバーできるが、反動によって再登場できる回数が減る。ボルトチェンジは能力上昇の準備前に有利な位置を取るために使え、相手に特殊方面の明確な対策がなければ、てっぺきで物理耐久をさらに高めることもできる。
問題は有用な能力値がないことではなく、対応手段が少数の技に集中していることだ。特攻70では特殊の電気技を安定して活かしにくく、ほのお、かくとう、じめんタイプは主要な弱点を正確に突いてくる。クリアボディは能力低下による妨害を防ぐが、直接ダメージや反動、はがねタイプに耐性を持つ受けポケモンが進路をふさぐことまでは防げない。