ハハコモリ徹底解説
森の仕立て屋
ハハコモリのデザインは、二足歩行の葉に擬態する昆虫をもとにしており、カマキリや、身を守るために葉を巻いたり縫い合わせたりする昆虫も思わせる。葉を切ったような形の腕はハサミとして機能し、首、袖、植物でできたスカートは体そのものを衣服に見立てている。小さな生き物のために服を仕立てる職人という発想に、子を守る母親のイメージが重なっており、クルミルやその卵、若いポケモンについての図鑑説明とも噛み合う。
英語名は「leaf」と「nanny」、つまり葉と子守を組み合わせたもの。日本語名のハハコモリには、「葉っぱ」「母」「子守」を思わせる要素が込められている。友情による進化もこの解釈を補強している。クルマユは孤立した状態をやめ、他者の世話に結びついた姿へとたどり着く。
態度が変わっていく進化系列
この進化系列は、小さな視覚的物語として機能している。クルミルは葉で最初の防具を作り、クルマユはその中に閉じこもってさなぎのような姿になる。そしてハハコモリはその隠れ家から出て、ほかの生き物のために服を仕立てる。変化は、単に体が大きくなるだけではない。周囲との関わり方が、葉の間に隠れることから、葉を仕事の材料として使うことへ変わっている。
ハハコモリは第五世代で初登場し、その後の登場作品でもむし・くさタイプを維持した。初登場後には防御系の種族値が調整され、世代ごとに補助技、特殊技、タマゴ技などのレパートリーも変化している。第八世代には登場しなかったが、スカーレット・バイオレットで復帰した。現在のゲームでも、つるぎのまい、リーフブレード、シザークロス、リーフストームが代表的な攻撃技になっている。
晴れを求めるアタッカー
種族値の配分は、進むべき方向をはっきり示している。攻撃103、素早さ92、HP75、防御80、特防80、特攻70だ。つるぎのまいは攻撃と特攻の差を活かし、ようりょくそは晴れのときに素早さを補ってくれる。天候がない場合、92という素早さはストーリー中に多くのポケモンを追い抜くには十分だが、素早い育成済みの相手に主導権を取るには足りない。
通常のプレイでは、ほのおやひこうタイプの使い手を倒すか弱らせたあとに温存しておくのが実用的だ。リーフブレードは高い威力を出しやすく、特攻に頼る必要もない。シザークロスは信頼できる物理技として攻撃範囲を補い、はたきおとすは道具に依存する相手への妨害になる。リーフストームの威力は130だが、使ったあとに特攻が下がるため、この配分とは噛み合いにくい。晴れでは、ようりょくそが優先特性になる。むしのしらせが活きるのは体力がすでに削られたときだけで、ぼうじんは主に環境によるダメージから守るための特性だ。
足を引っ張る要素
構造的な問題は、そのタイプの組み合わせにある。むしとくさは、みず、じめん、くさ、でんき、かくとうなど、よく使われるタイプに対していくつかの耐性を持つ。しかし、ほのおとひこうに特に弱く、いわも繰り出しを難しくして、交代を繰り返すほど負担をかける。防御と特防が80あっても、弱点を突かれやすいことによるダメージの受けやすさは補えない。
対戦環境では、SmogonでZUに位置づけられており、晴れを用意できるチームか、つるぎのまいを使う明確な機会がある構築に運用が限られる。耐久力の高いチームには主力の2つの攻撃を止められやすく、ほのおやひこうタイプのポケモンには引かざるをえない。そのため、独立した主力というより、特定の構築を支えるアタッカーとして機能する。性能を発揮するには、場を整えた状態で繰り出す必要があり、初手から殴り合うポケモンではない。