リリーラ徹底解説
ウミユリであって植物ではない
デザインの出発点は、ウミユリとも呼ばれる海洋動物のウミユリ類だ。頭部の形、花びらのような触手、海底に固定された体が、そのイメージを化石からよみがえった生き物へと落とし込んでいる。根や吸盤は固定された姿勢を説明し、上部の開口部の中にある目は、植物のような外見が身を隠すためのものにすぎないことを思わせる。ポケモン図鑑の説明でもその行動が強調されており、海藻や花に化け、動かずに待ち、近づいた獲物を丸ごと飲み込む。
日本語名のリリーラは、英語の「lily」、つまり「ユリ」をはっきり含んでいる。英語名のLileepもその要素を残し、さらに「deep」、つまり「深い」に合うような響きの語尾を加えているように見えるが、この語源解釈は確認されていない。紫色も日本語名に反映されており、そのローマ字表記には「lila」の音が保たれている。
ホウエンの化石と変化
リリーラは第3世代で、アノプスと並ぶホウエン地方の2つの化石系統の1つとして初登場した。入手にはねっこのカセキが関わり、進化するとユレイドルになる。ユレイドルもいわタイプとくさタイプを保っている。世代をまたいでも中心となる設定は変わらない。絶滅した海洋生物が科学によって復元され、冒険で使える種になるという構図だ。
入手しやすさも変化してきた。よびみずは何世代ものあいだ、手に入れにくい隠れ特性だったが、後の作品ではより入手しやすい方法で利用できるようになった。『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』では、クロガネシティのクロガネ炭鉱博物館と結びついており、ねっこのカセキを復元できる。この作品の技構成も、エナジーボール、ギガドレイン、ドわすれ、ステルスロック、たくわえる・はきだす・のみこむによる、遅い耐久役としての性格を保っている。
遅さを活かす方法
対戦では、よびみずを発動できるみず技に後出しするのが、リリーラの最も得意な動きだ。その後、ステルスロックをまいたり、タマゴ技のじこさいせいで回復したり、ギガドレインで圧力をかけたりできる。エナジーボールは直接的な火力に優れ、ギガドレインはダメージを与えながらHPを回復できる。ドわすれで特殊方面をさらに強化できるが、積みにターンを使うと、かくとうタイプやはがねタイプのアタッカーに入る隙を与えてしまう。
HP66、ぼうぎょ77、とくぼう87という配分が、優先すべき役割を決めている。素早いアタッカーとして扱うべきではない。すばやさは23しかないため、ほとんどの場合は相手の後に動く。きゅうばんは交代を強制する戦術への対策になるが、より大きな影響を与えやすいのは、みず技を繰り出しの機会に変え、とくこうまで上げられるよびみずだ。通常の冒険では、みずタイプのポケモンを多用するトレーナーに対して役立ち、耐久の低いアタッカーを危険にさらさずにステルスロックをまきたい場面でも機能する。
くさといわのあいだに立つ耐久化石
リリーラは、より多くの補助技を持つくさタイプの耐久ポケモンと枠を争うことになるが、よびみずによるみず技への無効化と、じこさいせいを覚えられる点が個性になる。いわタイプとくさタイプの組み合わせは、ユレイドルとは進化段階が違うだけでタイプは共通しており、より物理寄りの戦い方をするアノプスなど、ほかの化石ポケモンとも立ち位置を分けている。
むし、かくとう、こおり、はがねタイプへの弱点は、交代のたびに意識する必要がある。こおり技を持つみずタイプの相手なら、よびみずを利用しようとしたところを逆に攻撃されるし、タイプ有利な物理アタッカーには退場を強いられる。だからこそ、そうした相手への受け先を用意した仲間と組み、交代、消耗、回復を回せる展開でこそ力を発揮する。進化の先はユレイドルだが、リリーラの最も印象的な役割はその前にある。海底を守りの陣地へと変える、動かない生き物としての役割だ。