マナフィ徹底解説
海から生まれたデザイン
マナフィをデザインしたのは杉森建。小さな青い体、丸みを帯びた頭、触角、胸の赤い模様を組み合わせ、幻想的な海の生き物らしいシルエットに仕上げている。より具体的なモチーフは、海を移動する小型の軟体動物「シーエンジェル」、つまりクリオネだが、最終的な姿は人型に近く、表情も妖精のような存在を思わせる。タマゴのデザインには、ベニクラゲ(Turritopsis dohrnii)に似た要素が加えられている。
英語名と日本語名のローマ字表記は同じくManaphy。日本語ではマナフィと書く。英語名の語源としては、ポリネシア文化における霊的な力を意味する「mana」と、妖精のような存在を指す英語の「fay」を組み合わせたものと考えられている。海、生命力、超自然的なきずなの結びつきを強調する名前だ。
特別な種と独特な繁殖
マナフィは第4世代でフィオネとともに初登場し、シリーズでも特に変わった繁殖関係のひとつに結びついている。通常の進化系統ではない。マナフィからタマゴを作るとフィオネが生まれるが、フィオネが再びマナフィになることはない。そのため、両者がデータ上の系統を共有していることと、冒険中に利用できる進化が存在することは別の話として考える必要がある。
特別な種であることは、入手方法にも関わっている。草むらに普通に出現する種でも、経験値を貯めるだけで手に入るポケモンでもない。作品ごとに、入手方法は特別な手段に設定されている。また、初登場した初期の作品では、マナフィのタマゴをかえる前に交換すると、色違いに関わる不具合が起きることがあった。この挙動は後の世代で修正されている。
準備が必要な万能型
6つの基礎能力がすべて同じという点が、マナフィのもっともわかりやすいゲーム上の特徴だ。HP、こうげき、ぼうぎょ、とくこう、とくぼう、すばやさがすべて100なので、攻撃型、耐久型、両刀型のいずれも組める一方、サポートなしでは突出しにくい。たきのぼり、アクアブレイク、とんぼがえりを使うなら物理こうげきも無駄にはならないが、特殊技のほうが扱いやすい範囲を持っている。
みず技の主力はなみのりとハイドロポンプ。サイケこうせん、サイコキネシス、れいとうビーム、エナジーボールで攻撃できる相手を広げられ、めいそうによってとくこうととくぼうを高められる。耐久力のあるチームを相手にするなら、この準備が勝敗を分ける。速い相手に対しては、1ターン使ったことで行動前に倒される危険がある。
チームへの組み込み方
もっとも直接的なサポートは雨。あまごいでみず技の威力を上げ、天候が続くあいだは状態異常を消すうるおいボディも発動させられる。ねむるを使えば、危険な眠りを残さずHPをすべて回復できるが、雨が続いている必要がある。チームで天候を維持できないなら、うるおいボディの価値は大きく下がる。
シングルバトルでは、耐久力のある特殊アタッカーや、受け寄りのチームに対する消耗戦の駒として使うのが向いている。直接の弱点であるくさとでんきの脅威は、先に排除しておきたい。また、場のわざの対策もあるとうれしい。めいそうやアクアリングを使う前にHPを失わず、何度も場に出やすくなるからだ。
自然な比較対象はフィオネだが、役割は異なる。フィオネの能力はかなり控えめなのに対し、マナフィはすべての能力が100で、合計は600。デオキシスのようなほかの特別なポケモンと違い、極端に高い能力や特化したフォルムで目立つタイプでもない。バランスの取れた土台を崩さずに作戦を変えられることが強みであり、そのために必要なターンを確保できるかが重要になる。