フィオネ徹底解説
奇妙な家族関係を持つクリオネ
フィオネのデザインは、浮遊するような姿と、外洋に漂って暮らすことで知られる小さな海洋軟体動物、クリオネをもとにしている。頭の浮き袋が浮力を生み、フィオネが絶えず泳がずに移動するという図鑑の説明とも合っている。青い体色は海に溶け込むのに役立つ。名前は「Phione」とマナフィ、そして姿のモデルになった生き物の属名「Clione」を組み合わせたものだ。
マナフィとの関係はかなり特殊だ。一般的な進化系統ではなく、マナフィを繁殖させるとフィオネが生まれる一方、フィオネから元に戻ったり、別の姿になったりすることはない。その結果、海の守り神たちの一員でありながら、子孫として生まれ、独立したポケモンでもある種になっている。
断続的な登場
フィオネは第四世代で初登場し、それ以降も登場状況は安定していない。初登場世代の作品には登場し、その後の複数の作品では繁殖で入手できたが、『ポケットモンスター ソード・シールド』からは姿を消した。その後、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で再登場している。この経緯から、多くの世代で図鑑情報やスプライト、転送方法は用意されていても、通常の野生遭遇はできないことが多い。
図鑑の説明にも一貫した要素がある。暖かい海に住み、気温が上がると頭の浮き袋を膨らませ、生まれた場所へ戻るというものだ。作品ごとに描写の細部は変わるが、行動そのものは変わらない。ある作品では群れで移動する点が強調され、別の作品では、青い体が水に紛れて天敵から身を守る点が説明されている。
フィオネとマナフィのあいだの隔たり
対戦では、マナフィとの比較を避けられない。どちらもみずタイプで特性はうるおいボディだが、フィオネはすべての能力値が80なのに対し、マナフィはより有利な配分と、攻めに使える技を持っているため、はるかに強くプレッシャーをかけられる。フィオネにはその火力がなく、素早さの高さで差を埋めることもできない。
フィオネの歴史的な役割は、控えめなルールでの雨サポートだった。あまごいで天候を変え、うるおいボディで状態異常を治せる。ねむるを使えばHPをすべて回復でき、雨の下ではターン終了時に眠りが消える。とんぼがえりで交代しやすく、ねっとうで負荷もかけられるが、型全体は読まれやすい。れいとうビームはくさタイプへの対策になるものの、特攻80では耐久のある相手にとって本当の脅威にはならない。
メタゲームの外での活かし方
通常の冒険では、フィオネは主力アタッカーよりもチームのサポート役として使うほうが向いている。あまごいとアクアリングで場に居座りやすくし、まもるで継続ダメージのターンをやり過ごせる。ほのお、こおり、はがね、みずタイプの相手には耐性で比較的安全に後出しできるが、交代先にでんきやくさの技が待っていないことが前提になる。
技の選択肢は幅広い。あまえるで物理アタッカーの圧力を下げ、とけるで防御を上げ、はたきおとすで相手の持ち物を失わせられる。それでも、こうした技で専門性のなさを補うことはできない。フィオネの面白さは、繁殖による独特の立ち位置、作品への定期的な再登場、そして雨・うるおいボディ・ねむるという具体的な組み合わせにある。力ずくで対戦を制するポケモンではない。