アメモース徹底解説
触角のはったり
モデルになった生き物は、デザインから受ける印象に反してガではない。元ネタはFulgora laternaria、いわゆるランタンバエで、頭部が大きく膨らみ、後翅に脊椎動物の目をまねた眼状紋を持つ熱帯性のカメムシ目の昆虫だ。鳥を驚かせるための模様である。この選択は進化前ともつながっている。アメタマは同じカメムシ目のアメンボをそのままモデルにしているため、池から空へ移るにもかかわらず、系統全体が同じ昆虫の仲間に収まっている。
残りのデザインも同じモチーフでまとめられている。触角は機能する触角ではなく看板であり、図鑑説明は表情の変化を何度も強調する。基本は怒った顔で、湿気が増すと垂れ下がって悲しそうになる。体に天気予報が描かれている図鑑唯一の種だ。
Ame, moth, masquerade
日本語名はアメモース。雨を意味する「雨(あめ)」と、英語のmothを組み合わせている。英語名は片方を変え、もう片方を残している。masquerade、つまり仮面舞踏会に、rainを加えた名前だ。フランス語名のMaskadraは仮面だけを残している。3言語とも、仮装と曇った空という同じ要素を別の角度から示している。どの言語でも、名前のほうが体そのものより行動をよく表している。
アメタマの名残り
進化するとみずタイプを失うが、習性までは失わない。レベル1ではみずあそび、みずでっぽう、みずびたしを引き継ぐ。この3つはもうタイプ一致補正を受けないが、わざマシンではなみのり、ハイドロポンプ、たきのぼり、アクアジェットにも引き続き対応している。どれも役には立たない。タイプ一致補正がなければ、ハイドロポンプはタイプ一致のぼうふうより威力が低いからだ。進化系統の技構成では、タイプが消えても技だけが積み重なっていく。その仕組みがよくわかる例である。
さらに、あまいかおりとしびれごなも受け継ぐ。後者はレベル26で覚える。どちらもひこうタイプ全体ではほとんど見かけない補助技で、ダブルバトルなら、行き場を失ったみず技より使い道がある。
40ポイントの贈り物
第七世代で、これまでで最大の強化を受けた。種族値合計は414から454へ上がり、とくこうは80から100、すばやさは60から80になった。この2つの調整で、足手まといから使えるポケモンへと立場が変わった。重要なのはすばやさの上昇で、同じくらいのすばやさ帯にいる相手の多くが、ちょうど80未満に集まっている。
それでも、ちょうのまいの使い手としては本格派から遠い。ウルガモスはとくこう135、すばやさ100から始まり、積みに必要な1ターンを耐えられる体でちょうのまいを覚える。ホウエンの羽を持つむしタイプ2体、ドクケイルとその対になる存在と比べれば、アメモースには少なくとも状況を変えられる特性がある。進化前と共有するむしタイプだけが進化後にも残る糸で、もうひとつのタイプは羽の水とともに消えてしまう。