メロエッタ徹底解説
バレエの言葉を持つ歌手
日本語名のメロエッタ(Meloetta)は、欧米での名前をそのまま音写したものだ。名前でもっとも分かりやすい部分は「melo」で、melody、つまりメロディーに関係している。語尾はoperettaのような音楽用語や、バレエの回転を指すフランス語のpirouetteにも重なる。この組み合わせによって、名前には歌とダンスの両方が含まれており、その2つの概念はフォルムごとに分かれて表現されている。
デザインの出発点は、様式化された音楽家だ。頭部の飾りはト音記号やマイクを思わせ、髪は五線譜のように見える。ボイスフォルムは歌手のイメージを取り入れ、ステップフォルムはバレエダンサーに近い姿をしている。後者にはフラメンコダンサーに結びつく要素も指摘されている。動物の姿に仮装させた種族ではなく、音楽と、それを演じる人々の表現から生まれたコンセプトだ。
メロディーから回転へ
メロエッタは2つのフォルムとともに第五世代で初登場したが、この変化は進化として扱われない。いにしえのうたは見た目を変えるだけでなく、攻撃面での役割も変える。ボイスフォルムはとくこうを、ステップフォルムはこうげきとすばやさを活かしやすい。場から引っ込めると戦闘中のフォルムは維持されないため、技を使うタイミングを考える必要がある。
この種族には、失われたメロディーと赤いくつにまつわる物語も結びついている。この要素によって、ダンサーとしての姿と、ダンスに伴う歌を取り戻すという物語上のモチーフがつながっている。後の世代でも2つのフォルムという考え方は保たれ、途中の進化を追加されることなく、特別なポケモンとして登場し続けた。
特殊型を中心に物理技も使える
ボイスフォルムは、ポリゴンZのようなアタッカーとコンセプト上の立ち位置が近いが、すばやさへの配分はより極端ではなく、とくぼうは大きく上回る。サーナイトと比べると、ノーマルタイプによるゴースト無効と、とんぼがえりを使える点が目立つ。その代わり、物理耐久は低く、ターンをまたいで安定して回復する手段もない。
通常のパーティでは、安全に場へ出せる場面を選びたい。ゴースト技やエスパー技を使う相手は明確なチャンスを作ってくれるが、あくタイプやむしタイプの補完技を隠し持っていないことが条件になる。その後はハイパーボイスやサイコキネシスで攻撃し、とんぼがえりで流れを維持するか、めいそうで交代の隙を活かせる。はたきおとすは、ダメージ、弱点、道具の喪失が重なるため、とくに厄介だ。
対戦でできること
覚える技の幅が広いため、いくつかの型を組めるが、すばやさ90という問題を完全に解決できるものはない。特殊型なら、ハイパーボイス、サイコキネシス、きあいだまを組み合わせ、どちらか一方のタイプに耐性を持つ相手にも攻撃できる。エナジーボールは一部のみずタイプやじめんタイプへの対応範囲を広げ、シャドーボールは別のエスパータイプやゴーストタイプのポケモンへの打点になる。ただし、メロエッタ自身がゴースト技を無効化できるため、この対面の一部はすでに補えている。
めいそうは高いとくぼうを積み上がる脅威へと変えるが、強力な物理技を受けずに1ターンを確保しなければならない。てんのめぐみは、能力を下げる効果やほかの追加効果に頼る型で価値を発揮するものの、それだけで等倍の技を信頼できる戦略に変えるわけではない。ステップフォルムは攻撃面の配分を大きく変え、インファイトをより活かせるが、いにしえのうたを使うタイミングを準備しておく必要がある。
ゴースト技やエスパー技を誘い、安全に場へ出す機会を作れるチームで使うとよい。あくタイプの使い手への対策も重要で、この弱点がメロエッタを追い出すもっとも直接的な手段になる。相手が速い対策手段を失ったあとなら、特殊耐久、攻撃範囲、フォルムチェンジの組み合わせによって、いにしえのうたでターンを締めくくり、元のフォルムへ戻ることもできる。