ミロカロス徹底解説
ヒンバスから美術館の主役へ
ミロカロスの進化系列は、非常に大きな変化を見せる。ヒンバスは見栄えのしない魚を表しているのに対し、進化後はウミヘビのような体つきになり、人魚に近い姿を取る。この関係は『みにくいアヒルの子』を思わせる。見下されていた生き物が姿を一変させ、美しさと結びつく存在になるからだ。扇のような尾、髪の毛に見えるひれ、ステンドグラスのようなうろこが、デザインの装飾性をさらに強めている。
英語名のMiloticは、ミロのヴィーナスをはっきり意識した名前で、水に関する要素も加えている。日本語のミロカロス(Milokaross)もミロのヴィーナスに由来し、後半部分は美や優雅さに関係するギリシャ語の要素と結びついている。攻撃性能を中心に作られた名前ではなく、見た目と、それを見たときに受ける印象を軸にした名前だ。
美しさをゲームシステムにする
ミロカロスは、ポケモンコンテストが初登場した第3世代に登場した。進化条件がヒンバスのうつくしさと結びついていたため、最初から戦闘の強さだけでなく、見せ方を測るシステムと関係する種族だった。レベルアップで覚えるチャームボイス、アクアリング、メロメロ、いのちのしずくなどの技には、その穏やかな個性が残っている。一方で、じこさいせいやなみのりによって、旅の途中でも実用性を発揮する。
第5世代からは、きれいなウロコを持たせてヒンバスを通信交換する方法も加わった。この変更によって、実用上の問題が解決された。コンテストがないゲームでは、必要なうつくしさを直接上げる方法が存在しないこともあったからだ。ゲーム内部にうつくしさの条件が残されている場合はその進化条件も維持されたが、きれいなウロコによって、ヒンバスをその方法で育てたくない人にもずっと簡単な道が用意された。
水中版の耐久型として
自然な比較対象は、やはりギャラドスだ。どちらも将来性のなさそうな生き物を、はるかに大きな脅威へと変えるみずタイプの進化ポケモンである。ギャラドスはこうげきと物理的な圧力に寄り、ミロカロスはとくぼうととくこうに優れた数値を集めている。特性にも違いがある。いかくはギャラドスを繰り出しやすくし、ふしぎなうろこはミロカロスが状態異常になったとき、物理方面への耐久力を高める。
ストーリー攻略では、なみのり、じこさいせい、れいとうビームの組み合わせが多くの状況に対応し、複雑な戦術も必要としない。ハイドロポンプはより大きなダメージを出せるが、5回しか使えず、命中率も80%なので、長い道のりを進むには扱いにくい。長期戦ではアクアリングやいのちのしずくがリソースの節約に役立つものの、相手の攻撃が強い場合にじこさいせいの代わりにはならない。
相手にこちらを操らせないために
かちきは、使い方をもっとも大きく変える選択肢だ。相手に能力を下げられるととくこうが上がり、ミロカロスは防御的な行動を攻撃の機会へと変えられる。この効果は能力下降が起こりやすいダブルバトルで特に噛み合うが、すばやさの低さや、でんき技とくさ技への弱さまで消してくれるわけではない。
くろいきりは能力の上昇と下降を止められ、ドラゴンテールは前に出て居座ろうとする相手を追い出せる。あまごいはみず技を強化し、ハイドロポンプやなみのりとも相性がいいが、1ターンを使う必要がある。物理中心のチームに対しては、ふしぎなうろこと管理された状態異常によって倒されにくくできる。非常に強力な特殊アタッカーを相手にした場合は、とくぼう125こそが場に残しておく主な理由になる。ポケモン図鑑に記された湖では、戦いより先に静けさが訪れる。