アーゴヨン徹底解説
針を中心に組み立てられたウルトラビースト
アーゴヨンのデザインは、ドラゴンの体つきをしたスズメバチや飛翔する昆虫を軸にしている。細長い体と翼、針によって、色に注目する前からシルエットだけで見分けられる。最も目を引く部分は飾りではない。図鑑の説明では、針から毒々しく輝く液体が分泌され、体内には数百リットルの毒液が蓄えられている。
そのため、デザインの読み取り方はかなり直接的だ。どくタイプは生み出す液体と針に表れ、ドラゴンタイプは頭部や体つき、技のラインナップに反映されている。アーゴヨンという名前は、「naga」によって蛇のような生き物を示し、腹部の尖った先端に合う針の要素を加えている。日本語名の アーゴヨン は、国際名をそのまま移すのではなく、独自の名前として成立している。
役割を変える進化
ベベノムは、最初はやや控えめな性能をしている。りゅうのはどうを覚えた状態で進化すると、アーゴヨンはとくこう127、すばやさ121になる。変化は単に火力が上がるだけではない。多くの相手より先に攻撃しやすい配分になり、相手を倒してビーストブーストを発動させる流れも作れる。
進化条件には実用的な意味がある。りゅうのはどうは自力で覚える技の中に含まれており、とくこうとも相性のいい攻撃技だ。レベルアップ前に技を確認しておくと、忘れたせいで進化が遅れる事態を避けられる。
場に出すタイミングを見極める
最も無理のない使い方は、相手の交代を誘ったあとや、相手が倒れたあと、あるいは相手がじめん・こおり・ドラゴン・エスパー技で攻撃できないターンに出すことだ。りゅうのはどうとヘドロウェーブで主力の攻撃範囲を確保し、かえんほうしゃで、はがねタイプのポケモンにただで場へ出させない。わるだくみには準備が必要だが、受け身のターンを本格的な脅威に変えられる。
より直接的でない立ち回りもできる。とんぼがえりがあれば、相手が想定どおりの対策ポケモンを出してきたときにも主導権を保てる。どくびしは、交代を繰り返させて消耗を狙うチームで役に立つ。エアスラッシュはひこうタイプの選択肢になり、そのタイプを半減以下にできない相手に使いやすい。
最初の1体を倒せなかったときに問題が出る。ビーストブーストはそのターンに相手を倒す必要があり、HP・ぼうぎょ・とくぼうの73では、外したときの余裕がほとんどない。物理技も得意ではない。ドラゴンクロー、げきりん、ダストシュートを使えるものの、とくこう127を考えれば、特殊技を軸にするのが自然だ。
捕食者と注射器のあいだにあるデザイン
エンニュートとは、どくを使う点と、とくこうを好む点で比べると分かりやすい。ただし、アーゴヨンは方向性が異なる。エンニュートは特性や特定の相手への圧力により頼るのに対して、アーゴヨンはすばやさ121を持ち、相手を倒すことで直接強化される特性を持つ。ドラミドロとはドラゴン・どくタイプを共有しているが、配分は耐久ではなくすばやさを優先している。
第七世代でベベノムの進化形として登場し、ウルトラビーストの1体でもある。ソード・シールドでもその立ち位置は変わらず、慎重に場へ出し、特殊方面から攻撃し、ビーストブーストを発動させるために相手を1体倒すという基本は同じだ。大量の毒を蓄える針によって、空を飛ぶ姿でありながら、その個性は毒に根ざしている。