パラセクト徹底解説
キノコがハンドルを握る
名前は言語が変わっても変わらない。日本語ではパラセクト、英語ではParasectで、どちらもparasiteとinsectを組み合わせた名前だ。言葉遊びでも二重の意味でもない。デザインそのものが寄生生物と虫で、名前を取ったのは寄生生物のほうだ。
下の体は、ハサミがカニを思わせるセミの幼虫だ。上に乗っているのは冬虫夏草。Ophiocordyceps sinensisの日本語名で、宿主の組織を置き換え、行動まで変えてしまう実在の菌類だ。同じ仲間にはゾンビアリの菌として知られるOphiocordyceps unilateralisもいて、こちらもセミに感染する。そのため目が空っぽなのだ。もう後ろから見ている者はいない。パラスにはまだ瞳があるが、進化するとそれを失う。シリーズでも、主役のほうが負ける数少ない進化のひとつだ。
胞子が自分のものだったころ
第3世代までは、パラスの進化系統だけがキノコのほうしを覚えた。命中率が完璧な眠り技を1つの家系だけが持っていたため、それだけでパーティーに入れる理由になった。そこにホウエン地方が終止符を打った。キノガッサが同じキノコのほうしを持って登場し、くさタイプの代わりにかくとうタイプ、はるかに高いこうげき、恥ずかしくないすばやさを手に入れていた。それ以来、相手を眠らせたいなら、誰でもよりいい選択肢を使えるようになった。残った肩書きは、キノコのほうしを覚えるポケモンの中で最も遅いことだけだ。
第2世代がもたらしたもの
ルール変更を2つ同時に受けた。とくしゅが2つの能力に分かれたことで、かつて1つだった数字はとくこう60ととくぼう80になった。攻撃より防御のほうがましで、技のラインナップが示しているものとはちょうど逆だ。すいとる、ベノムショック、エナジーボールはとくしゅ技で、その60を使う。レベル21のきりさくと37のシザークロスが95のこうげきを活かせるほぼ唯一の技だが、覚えるのが遅い。
もう1つの変更は、こちらにとっては好都合だった。第1世代では、どくタイプの技がむしに効果抜群だったため、むし・くさには×4で入っていた。第2世代からは、その組み合わせが×2になった。確かな弱体化ではあるが、ほのおとひこうがまだ×4のままなので、結果はそれほど変わらなかった。
かんそうはだも最初からあったわけではない。第3世代にはまだ持っていなかった。後になって追加され、みず無効と雨での回復という、今となってはほかの遅いむしと差をつける数少ない個性を得た。その代わり、最も苦手な弱点をさらに重くしている。
どうにか使うなら
まともな使い方は、必ず後手に回ることを受け入れ、そこから組み立てるしかない。すばやさ30では、状態異常技を使うたびに攻撃を1発受けることになる。だから順番が重要だ。まず一番邪魔な相手にキノコのほうしを使い、そのあとで削る。HP60では2回試す余裕がない。
努力値はこうげき2とぼうぎょ1。序盤のむしタイプとしては珍しい混合型の配分で、基礎経験値142のおかげで、経験値稼ぎの相手としては予想より少し優秀だ。
3つ目の特性しめりけは隠れ特性で、ほとんど見かけない。場にいるどのポケモンも、本人を含めてじばくやだいばくはつを使えなくする。自分を別の何かに操られていることが存在理由になっている生き物が、他人の爆発だけを止めるというのは、妙に受け身な力だ。