フェローチェ徹底解説
ゴキブリをランウェイモデルに変えたデザイン
見た目の土台は脱皮後の白いゴキブリだが、デザインはその普段の姿をそのまま再現してはいない。長い脚、細い体、背筋を伸ばした立ち姿はモデルを思わせ、折りたたまれた翅は頭の周囲でフードのような形をつくっている。その結果、フェローチェは美しさと嫌悪感を対比させる存在になっている。触れるものすべてを汚染されたかのように扱う一方で、自身のモチーフもまた汚れと結びついた動物なのだ。
日本語名の フェローチェ は Pheroache と読み、pheromone と凶暴なゴキブリを連想させる要素を組み合わせている。Pheromosa はフェロモンへの言及を残しつつ、hermosa を加えた名前で、磨き上げられた外見にもよく合っている。進化も別の姿も存在せず、筋肉質な外見を持つ対になる マッシブーン と UB-02のコードを共有している。
マッシブーンとは正反対
マッシブーンとの比較を見ると、両者のデザイン意図がはっきりする。どちらもむし・かくとうタイプのウルトラビーストだが、片方が質量と肉体的な力にコンセプトを集中させているのに対し、フェローチェは軽さと速さを軸にしている。151という素早さと、137の攻撃・特攻によって、すぐに攻め込むことに大きく傾いた性能になっている。防御と特防が37しかないことからは、その特化の代償がわかる。
役割という点では、ほとんどすべてに先手を取ってミスを咎められる デオキシス のような、もろいアタッカーにも似ている。違いは、圧力のかけ方にある。フェローチェはとんぼがえり、読み合い、技範囲への依存度が高い。一方で、ほかの高速アタッカーには、交代を強制したり、より安全な位置から相手を仕留めたりするための手段が充実している場合もある。
世代をまたいで変わったこと
フェローチェは第七世代で登場し、その時点ですでに個性を決める技構成を持っていた。こうそくスピン、けたぐり、こうそくいどう、れいとうビーム、とんぼがえり、とびひざげりがそれにあたる。後の作品でも速さ、両刀性能、もろさという組み合わせは変わらないが、ソード・シールドで使える技によって、インファイト、きあいだま、まもる、エレキネット、ドリルライナーのような技へと一部の構成が広がった。
特性はビーストブーストのままだ。連続撃破を後押しする効果だが、その時点で最も高い能力が上がる。実戦では、弱った相手を一掃する構成に向いているが、低い耐久を補うわけではなく、強力な攻撃を安心して受けられるようにもならない。
場に出す方法
攻撃を受ける前提で直接交代させるのは避けたい。すでに弱った相手への即時の対応として出すか、味方が倒れたあとに繰り出すか、ダブルチェンジで相手に対応を見せさせてから出すのがよい。相手の交代先が読めないときは、とんぼがえりが最も安全な手段になる。けたぐりとインファイトは重い相手に圧力をかけられ、れいとうビームがあれば、特定のひこう、じめん、ドラゴンタイプをただで受け出しさせずに済む。
こうそくスピンには使い道があるが、防御が37しかないため、物理アタッカーの前で使うのは危険だ。ちょうのまいなら特殊型でより大きな展開を狙えるものの、フェローチェがサポートなしで確保するのは難しいターンを必要とする。先制技、外部からの補助でさらに速くなった相手、フェアリー、ほのお、エスパー、ひこうタイプが行動機会を制限する。ダメージを受けずに1体倒せればビーストブーストから連鎖を始められるが、最初の計算を誤ると、低い耐久のせいで立て直す余地はほとんど残らない。