ゴリランダー徹底解説
根でできた太鼓
デザインの出発点は、ドラマーになったゴリラだ。ばちだけで終わらず、持ち運んでいる切り株が太鼓として機能し、その根も叩いた音に反応する。横に広いシルエット、長い腕、大きな体つきがゴリラらしさを強調し、植物の要素がサルノリやバチンキーとのつながりを保っている。
英語名は「gorilla」と「boom」を組み合わせたもので、動物と打楽器の轟音を直接表している。日本語名のゴリランダー—Gorirander—は、「gorilla」に、繰り返し打つことに関係する語の「乱打」randaを組み込んだものだ。ガラルの世界観も、打楽器バンドのイメージや、ゴリラがドラムを叩くイギリスの文化的なイメージとよく合っている。
植物のバンドを率いるリーダー
ポケモン図鑑では、演奏技術にもとづく序列が描かれている。太鼓を最も上手に扱える者が群れを率いるのだ。この設定によって、最終進化形は単にバチンキーを大きくした存在ではなくなっている。ゴリランダーは、リズムを権威へと変えたドラマーを表しながら、穏やかな気質と集団の調和を重んじる姿勢も保っている。
分類のドラマーポケモンは、植物タイプとしての性質を切り離さずに種族の特徴をまとめている。太鼓は独立したアクセサリーではなく、根の延長だ。キョダイマックスの姿では、その前提がさらに大きなスケールへ広がり、楽器と植物が姿の中心になる。
明確な個性を持って登場した進化形
第8世代でサルノリの最終進化形として初登場した。登場時から、グラスメイカー、種族値125の攻撃、そして専用のレベル技であるドラムアタックの組み合わせによって特徴づけられていた。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』でもその個性は保たれており、認められている姿のひとつとしてキョダイマックスの姿も残っている。
世代をまたぐことで、その見方も変化した。登場当初は、フィールドを展開しながら圧力をかけ、はたきおとすやドラムアタックで相手の隙を作る物理アタッカーとして評価されていた。パルデアの環境では技範囲が広がり、じしん、ドレインパンチ、とんぼがえり、つるぎのまいなどから4つ目の技を選んで調整できる。コンセプトは変わらない。場に出て、フィールドを変え、相手に対応を迫る。
太鼓を活かす立ち回り
通常の対戦では、みず、じめん、でんきの技に対して繰り出し、グラスメイカーでグラスフィールドを展開してから、攻撃か交代につなげるとよい。ドラムアタックは、半減されにくい相手に使うために温存したい。反動があるため、何度も繰り返す交代戦では消耗が激しい。相手が持ち物に依存しているならはたきおとすが有効で、相手が交代してきそうならとんぼがえりで主導権を維持できる。
素早いアタッカーとして扱うのは避けたい。素早さの種族値85では多くの攻撃的な相手を抜けず、ほのお、ひこう、こおり、どく、むしへの弱点もあるため、相手がわからない状態で居座らせるのは危険だ。これらのタイプを補える味方や、グラスフィールドを活かせる味方がいると、繰り出せる場面が増える。
ダブルでは、サポート役としてもよく機能する。フィールドがチーム全体に役立ち、攻撃の高さによって受け身のサポート役にならずに済む。隠れ特性のグラスメイカーがあるからこそ、技構成を変えてもゴリランダーらしさは失われない。フィールドに出た瞬間から、太鼓は鳴り始める。