ヤトウモリ徹底解説
泥棒のような習性を持つサンショウウオ
デザインの元になっているのはサンショウウオやトカゲで、炎と毒性のある物質がはっきり結びついている。背中の赤い線は背中を走る炎を思わせ、首の横にある突起はスカーフや仮面のような輪郭を作っている。色のコントラストが共通する、赤い腹を持つ日本のイモリとのつながりも感じられる。
英語名のSalanditは「salamander」と「bandit」を組み合わせたものだ。日本語名のヤトウモリは、夜盗とイモリを組み合わせている。この待ち伏せのイメージは図鑑の説明にも表れており、背後から近づき、ガスで相手をふらつかせ、獲物が体勢を崩したところで攻撃する。
性別に左右される進化系統
ヤトウモリは第七世代で登場し、最初から珍しい条件付きの進化を持っていた。レベル33に達してエンニュートへ進化できるのはメスだけだ。アローラ地方の図鑑説明では、オスが手に入れた食料の大部分をメスに渡し、進化できないほど弱ってしまうという支配関係で、この違いが説明されている。
後の世代でも、どく・ほのおタイプは変わっていない。『ポケットモンスター ソード・シールド』では、毒袋で作られた液体を尻尾の炎で熱することでガスが生まれると説明された。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、メスのガスにオスを従わせるフェロモンが含まれることも加えられた。わざの習得内容も変化しており、現在のリストにはわるだくみ、りゅうのはどう、かえんほうしゃ、どくどくなどが残っているが、初登場時のものと完全には一致しない。
ふしょくと耐久の限界
ふしょくは、ヤトウモリに明確な役割を与える特性だ。どくどくがはがねタイプやどくタイプにも効くため、通常なら封じられている対面の一部を変えられる。ただし、どく状態を活かすには時間が必要になる。HP48、ぼうぎょ40、とくぼう40では、相手の反撃を受けきれない。
攻撃面では、とくこう71が最も優れており、すばやさ77がそれを支える。わるだくみで圧力を高め、かえんほうしゃで安定したダメージを出し、ヘドロばくだんでどくタイプ側を補える。ベノムショックは、どく状態の相手に対して威力が上がる。ストーリーでは、この組み合わせで弱った相手を一掃し、読まれやすい交代をとがめることができる。高レベルの対戦では、ミスの許容範囲がはるかに狭い。
どこで使えるか、何と比べるか
『ポケットモンスター サン・ムーン』のリトルカップではB-ランクに位置し、実用性はあるものの中心的な選択肢ではないことを示している。タイプの組み合わせでくさやむしのポケモンに圧力をかけられ、ふしょくによって一部のはがねタイプをどくどくに対して安全に後出しさせない。すばやさは攻めに役立つが、じめん・みず・エスパー・いわへの弱点があるため、繰り出すタイミングは慎重に選ばなければならない。
図鑑の説明で触れられているパッチールと比べると、ガスの効果はやや目立たなくなる。パッチールはもともとふらふらした動きをするため、混乱させる効果が違いを生みにくいからだ。ドガースと比べれば、ヤトウモリは素早さとほのおタイプを持つ一方、防御面の安定性で劣る。この違いが用途をよく表している。何ターンも攻撃を受けるためではなく、攻撃するか、どく状態にするために繰り出すポケモンだ。