ゼニガメ徹底解説
コインの名を持つカメ
日本語のゼニガメは、池や沼にすむカメの子どもを指す普通の言葉で、古い金銭を意味する「銭」のゼニと、カメを意味する「亀」のカメからできている。『ブラック・ホワイト』と一緒に登場したポケクイズでも、そこは率直に説明されていた。ゼニガメのこうらが古い硬貨に似ているため、この名前になったという。
英語名は方向が違う。水鉄砲を連想させるSquirt、つまり「噴き出す水」に、turtle、カメを組み合わせた名前だ。あくまで子どもの玩具である水鉄砲が元で、武器ではない。日本国外の第1世代では、スペイン語を含めて英語名がそのまま使われている。
一万年を生きるカメの尾
体つきは、厳密にはウミガメではない。体の比率や水陸両生の暮らしぶりは、イシガメ、とくに甲羅に対して頭が不釣り合いに大きいクサガメに近い。長く巻いた尾には、もっとはっきりした由来がある。日本の伝承に登場する蓑亀、つまり一万年生きるとされ、長生きした結果として藻のような尾が伸びたカメへの言及だ。同じモチーフは*カメール*にも残っており、あちらでは尾が毛深くなって、元ネタがさらにわかりやすい。
遅れて手に入れたもの
8世代のあいだ、ゼニガメは防御寄りのカメでありながら、それを活かす手段がなかった。9世代でそれが変わる。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』でレベル技にからをやぶるが加わり、こうらを削る代わりに攻撃と素早さを大きく伸ばせるようになった。防御が高く、攻撃が低いポケモン向けに作られた技で、つまり本人にぴったりだ。それ以前の習得技は、まだ方針が定まっていないポケモンのものに見える。レベル12のかみつく、30のてっぺき、33のハイドロポンプ、36のアクアテール。3種類の戦い方にまたがる技が並んでいる。
レベル6のからにこもるは、こうらの中に入り、防御を上げる性格そのものだ。レベル9のこうそくスピンは、通常のストーリーでは何の役にも立たないが、対戦では攻撃技のどれよりもチームに貢献することがある。
カントーでは楽に始まり、後半で苦しくなる
カントーの御三家3匹の中では、序盤がもっとも楽だ。ニビシティのいわタイプのジムと、クチバシティのでんきタイプのジムを相手にタイプ有利を取れる。最初の4つのジムのうち2つを相性表だけで解決できる計算で、*フシギダネ*も別の2つを解決する一方、ヒトカゲにはもっとも厳しい2つが回ってくる。その代償は後で払うことになる。みず単タイプでは、くさタイプにもでんきタイプにも有効打がなく、セキエイこうげんの四天王戦では、こおりのわざマシンに頼るしかない。
ジョウトの水御三家である*ワニノコ*と比べると、配分は正反対だ。あちらは攻撃力を持って生まれ、防御が弱い。こちらは防御65で生まれるのに、それを活かせるものが進化ラインのかなり後半までない。アニメでは、サトシのゼニガメはサングラスをかけたカメたちの集団、ゼニガメ団の出身だった。町でいたずらを繰り返していた彼らが、仲間になるよう説得されたのである。