マルノーム徹底解説
名前どおりの大きな口
英語名のSwalotは「swallow」と「a lot」を組み合わせたもので、何でものみ込む習性をそのまま表している。日本語名のマルノームは、何かを丸ごとのみ込むことを意味する「丸呑み」に由来する。この発想は図鑑の説明にも受け継がれており、かまず、あまり選り好みもせず、体内の液体に仕事を任せる。
デザインはナメクジや、複数の触手を持つ塊を思わせるもので、胃や毒腺、廃棄物の袋を連想させる要素もある。大きく開いた口はシルエットの大部分を占めており、装飾的な細部よりも、その行動をよく説明している。毛穴は模様ではなく、攻撃に使う器官の一部だ。
ゴクリンからの飛躍
ゴクリンは同じ発想を小さなスケールで表しているが、マルノームはそれをより肉体的な方向へ押し広げている。進化してもどくタイプは変わらず、体つきは大幅に大きくなり、物質をため込む生き物から、獲物を丸ごとのみ込める生物へと変わる。高さは1.7 m、重さは80 kgで、大型の柔らかい塊というイメージにも合っている。
この系統はホウエン地方の出身で、後から追加された進化や別のすがたはない。シリーズを通して、登場する本編作品と登場しない作品を行き来してきた。『ポケットモンスター ソード・シールド』には登場せず、『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』で復帰し、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』にも登場する。過去作では、現在の技レパートリーから外れた技も覚えられ、その中にはアクアブレイクややどりぎのタネも含まれていた。また、わざマシンなどで覚えられる技の配分も変化している。
遅さを活かす方法
通常の対戦では、アタッカーよりも削り役として使うほうが向いている。フェアリー、かくとう、くさタイプの技を受けて場に出し、どくびしをまいて、あくびで交代を促すのが基本的な流れだ。アンコールは、相手が防御技や積み技を繰り返したときに刺さり、ドわすれを使えば特殊方面の耐久も上げられる。ねんちゃくなら、はたきおとすなどを受けても持ち物を守れる。
じめんやエスパータイプの脅威には繰り出さないほうがよく、単純な火力だけで長い殴り合いに勝てるとも考えないほうがいい。じしんはどくやはがねタイプに、れいとうパンチはじめんタイプに、ほのおのパンチははがねタイプに圧力をかけられるが、攻撃性能が低いため、これらの技範囲だけで万能な解決策にはならない。回復はのみこむ、ねむる、いたみわけなどに頼ることになるが、どれもターンを準備に使うか、テンポを失う必要がある。
採用先を選ぶ種族
マルノームは、ダストダスなど、汚染を思わせる姿のポケモンとイメージ上の立ち位置が重なる。ただし、個性の中心にあるのはゴミではなく消化だ。巨大なナメクジにも見えるが、歯がなく、毛穴から毒を出せる点が、一般的な動物とは異なる存在感につながっている。
隠れ特性のくいしんぼうはデザインにも合っており、HPが十分に減ったとき、きのみを早く使える。ヘドロえきは、吸収技に頼るポケモンとの相性計算を変えられるが、安定した便利さではねんちゃくのほうが上だろう。現在の対戦環境では、耐久、状態異常技、広い技範囲を持つ一方で、それらがニッチな採用にとどまる理由にもなっている。チームに必要なのが、重くて遅いどくタイプなら候補になるが、すぐに大ダメージを出したいときの選択肢ではない。