ナカヌチャン徹底解説
小さな鍛冶屋と、どんどん大きくなるハンマー
デザインの出発点は、鍛冶に取り組む妖精やノーム、ドワーフのイメージだろう。低いシルエットや人型の姿、金属製の道具はその発想に合っているが、フェアリーと鋼の組み合わせによって、伝統的な鍛冶屋をそのまま表現したようには見えない。ピンク色に四角い歯、怒った表情が、体格から受ける印象以上に攻撃的な雰囲気を与えている。
英語名は、スズなどの金属を扱う職人に関係する「tinker」と、「頑丈な」を意味する「tough」を組み合わせたものだ。日本語名のナカヌチャンは、「中」を表す「naka」と、鍛冶屋を意味する「kanuchi」、そして縮小・親愛の接尾辞「-ちゃん」を組み合わせている。「naka」の部分は、進化系列での位置にも合っている。カヌチャンとデカヌチャンの間にいるからだ。
金属くずで作られる進化
ハンマーを作るという設定は、見た目だけの飾りではない。ポケモン図鑑の説明では、ナカヌチャンが金属を手に入れるためにコマタナやキリキザンの群れを襲うこと、金属くずの山で暮らすこと、人間の集落を訪れて工場や倉庫から物を盗むことが語られている。2匹の個体がハンマーを打ち合わせて、強度を試すこともある。素材集め、縄張り意識の強さ、そして鍛冶職人同士の競争のような行動が混ざっている。
この系列が初登場したのは第9世代なので、能力値やタイプ、技を比較できる過去のバージョンは存在しない。ナカヌチャンは最初から中間進化として登場し、前後の進化形と同じフェアリー・鋼の組み合わせを保っている。デカヌチャンへの進化ではハンマーの発想も受け継がれるが、コンセプトははるかに大きなスケールになる。
ストーリー中での活かし方
通常のストーリーでは、ドラゴン、どく、あく、フェアリー、むしの攻撃を受けてから場に出し、相手を困らせる動きが向いている。相手が道具に頼っているなら、はたきおとすが有効だ。でんじはは火力不足を補い、味方が先に動きやすくする。ステルスロックは相手が頻繁に交代する場合に消耗を加えられる。まもるとアンコールも、相手に嫌な選択を迫る戦い方に合っている。
最も安定する特性はかたやぶりで、相手の特性を無視して技を使える。マイペースは混乱を防ぎ、わるいてぐせは道具を持っていないナカヌチャンが接触技で攻撃してきた相手を罰する。ただし、長期戦ではわるいてぐせに明確な欠点がある。ナカヌチャン自身も、耐久力を高めるために自分の道具を持っておきたいからだ。
合計380という限界
とくぼう82とすばやさ78が、最も活かしやすい数値だ。攻撃55ととくこう45しかないため、等倍で殴るよりも、効果抜群の攻撃を当てることの価値が大きい。じゃれつくとラスターカノンで2つのタイプをカバーし、はたきおとすで補助的な役割もこなせるが、どの技も単独で火力不足を解決してくれるわけではない。
防御55のため、強力な物理アタッカーには明確に弱い。ほのおとじめんには効果抜群で、信頼できる回復手段もないため、不要な交代出しをするたびに大きな代償を払うことになる。だからこそ、特定の相手に合わせて場に出し、状態異常や道具破壊で圧力をかけるほうがよい。試合中ずっと場に居座ろうとするポケモンではない。