ミルホッグ徹底解説
反射ベストを着た見張り役
デザインの中心にいるのは陸上のネズミで、とくにマーモットの要素が強いが、ミーアキャットやシマリス、プレーリードッグとも共通する特徴がある。直立した姿勢が見張り役としての立場を表している。胸と尾の黄色い帯は安全ベストのように見え、目と体が光ることで、威嚇の合図がそのまま外見の一部になっている。
英語名は、watch「見張る」と groundhog「マーモット」を組み合わせたもの。さらに、見張りや警告に関係する watchdog と watch out にも音が通じる。日本語の名前である ミルホッグ は、見ることを意味する miru と groundhog を組み合わせたもの。危険が来る前に見るという発想は、どちらの言語でも保たれている。
種から妨害へ
図鑑の説明では、牙だけに頼る生き物としては描かれていない。ほお袋に種をため、敵を見つけると吐き出し、尾を張って発見したことを示す。覚える技もその妨害の考え方に沿っていて、[あやしいひかり]、[さいみんじゅつ]、[すなかけ]、[でんじは]で、正面からの殴り合いになる前に相手の行動を乱そうとする。
ただし、対戦ではその個性のほうが実際の性能より目立っている。[アナライズ]は後から攻撃することを評価するが、HP 60と69の耐久では多くの攻撃を受けきれない。こうげき 85には[つるぎのまい]のほうが合っており、[わるだくみ]も選択肢にはなるものの、とくこう 60では不利。HPの多い相手には[いかりのまえば]が最も信頼しやすく、[かみくだく]によってノーマル技だけに頼らずに済む。
寄り道のない進化系列
系列は、観察に重きを置いた低い姿の*ミネズミ*から始まる。レベル20に達すると、進化して縦長の体つきと守衛としての役割を得る。この進行を変える別形態や分岐はない。冒険では、中盤に[さいみんじゅつ]、[かみくだく]、[いかりのまえば]を使いたいなら、早めに進化させるとよい。
獲得できる努力値はこうげき2なので、物理型の育成対象に向いている。捕獲率は255で捕まえやすく、タマゴグループの陸上では相性のよい多くの地上性ポケモンと組み合わせられる。タマゴの20サイクルも、特別に孵化が遅い数値ではない。
世代による変化
ミルホッグは第5世代で、イッシュ地方の序盤の道路に登場するネズミポケモンの1匹としてデビューした。初代の『ブラック・ホワイト』では、得られる努力値が続編にあたる作品のものと一致しておらず、同じシリーズの時期の中で変更された要素になっている。その後の『ウルトラサン・ウルトラムーン』でも、進化系列や特性、特徴的な技構成は維持された。
対戦での存在感が大きくなったことはない。低レベル帯では、[アナライズ]を活かす物理アタッカーとして、威力の高いノーマル技に[さいみんじゅつ]、[いかりのまえば]、または補完技を組み合わせる型が試されてきた。その作戦では、味方の犠牲後や、後攻の交代技などを利用して場に出す必要がある。強力な攻撃を受けきれないためだ。すばやい相手には撤退を強いられ、かくとうタイプには簡単に倒されやすい。やけど、どく、わなのダメージが重なると、行動できる機会はさらに減っていく。