ヨワシ徹底解説
イワシから海の怪物へ
たんどくのすがたは、特にマイワシを思わせるイワシがモデルになっている。大きく光る目は、コミュニケーションや仲間を引き寄せるために生物発光を使うチョウチンアンコウのような魚も連想させる。むれたすがたになるとデザインの印象は一変し、巨大な海の捕食者のように見える。潜水艦を思わせる特徴や、絶滅した装甲魚ダンクルオステウスを連想させる要素もある。
2つの姿の対比が、この種の中心的なアイデアをまとめている。孤立した魚は弱く、多くの捕食者に狙われるが、群れれば、はるかに大きな相手さえ威圧できる姿を作り出す。ポケモン図鑑の説明もこの行動を繰り返し強調しており、さらに独自の要素として、瞳の輝きは非常に遠くからでも見えること、別の説明ではその光が涙によるものだと語られている。
弱さをもとに作られた名前
日本語名のヨワシには、イワシを意味する「いわし」と、弱さやもろさに関係する語感が含まれている。むれたすがたではなく、仲間を集める前に見える魚の姿を表した名前だ。英語名やスペイン語名のWishiwashiにも音の繰り返しが残っており、ほとんど同じ魚が大量に集まった群れのイメージに合っている。
2つに分かれた種族値
特性なしではまともに機能しない種は少ない。たんどくのすがたで合計175という数値なのは、文字どおり無防備さを表している。「ぎょぐん」はそのコンセプトをゲームの仕組みに変えたものだ。HPを多く残している間はむれたすがたになり、十分な耐久を持つ重量級アタッカーのような能力を得る。欠点は、この上昇でHPもすばやさも伸びないため、削りの影響をすぐに受けることだ。
小さな魚の見た目と最初の弱さから、コイキングと比べたくなるのは自然だが、仕組みは異なる。コイキングは進化して規模を変えるのに対し、ヨワシは種そのものを変えず、バトル中に姿を行き来する。バスラオも攻撃寄りのみずタイプの魚を表しているが、群れの協力をアイデンティティにはしていない。
群れを場に残すには
通常のバトルでは、すぐに大きなダメージを与えてこない相手に繰り出したい。なみのりは信頼できる攻撃、ハイドロポンプはより大きなダメージ、れいとうビームはみずを半減する相手への対策になる。相手が交代しそうなら、とんぼがえりで主導権を保てるが、たんどくのすがたではこうげきが低く、物理技としての威力は補いきれない。
最大の敵は削りだ。繰り返し場に出ること、くさやでんきの効果抜群技、追加ダメージによって、「ぎょぐん」に必要な余裕が減っていく。まもる、ねむる、そして交代を慎重に管理することでむれたすがたを保ちやすくなる一方、じしんはみず技を受けにくる一部の相手へのけん制になる。低いカテゴリーのルールでは遅いアタッカーや防御寄りのピボットとして使われてきたが、その外ではHPへの依存度が高く、安定性を大きく欠く。
その歩みも同じ理屈に沿っている。第7世代のアローラでデビューし、『ポケットモンスター ソード・シールド』ではたんどくのすがたとむれたすがたで復帰した。進化形は得ていない。ヨワシの成長は、仲間が集まることで表現されている。