エテボース徹底解説
2本のしっぽに込められた、はっきりした発想
エテボースのデザインは、一部のサルがしっぽを支えや道具として使うという実在の特徴を誇張したものだ。ここではその能力が2倍になり、中心的な要素になっている。2本のしっぽは木の実を割り、物をつかみ、戦い、群れの仲間を抱きしめるために使われる。複数のしっぽで作る輪のイメージからは、仲間同士の社会的な行動が伝わる。一方で、木をめぐるナゲツケサルとの争いは、友好的とはいえない一面を加えている。
英語名のAmbipomは、「両方」や両手利きを意味するambi-、エイパム、そして「手のひら」を意味するpalmを組み合わせたもの。2本のしっぽを追加の手へと変えた進化をよく表している。日本語名はエテボース。
エイパムからの変化
エイパムはもともと手の形をしたしっぽを1本持っていたが、進化すると体の機能の配分が変わる。エテボースは、しっぽが1本だけの小さなサルのシルエットを捨て、より直立した姿勢、2本のしっぽ、開放的な表情を手に入れる。進化条件もこの変化に合っている。ダブルアタックは、新しい姿になる前に2本のしっぽを使いこなすことを表している。
第四世代で登場し、それ以前の世代のポケモンを復活させ、発展させた流れの中に位置づけられる。それ以降、作品ごとに覚える技の構成は変化してきた。教え技へのアクセスもすべての作品で同じではなく、ある世代で使えた選択肢が別の世代でも同じように残っているとは限らない。現在のゲームでは複数のタイプの攻撃技を使えるが、素早さと物理ダメージを軸にする性格は変わらない。
入って、殴って、逃げるサル
実戦では、場に出すタイミングを選ぶことが重要になる。素早さ115なら多くの相手より先に動けるが、HP75、防御ととくぼうが66なので、有効な攻撃を受けるとすぐにペースを崩される。相手の交代後、味方が倒れたあと、または別のポケモンのとんぼがえりから繰り出すのが基本だ。ゴーストタイプ以外の攻撃を直接受けに出すのは、分の悪い賭けになる。
テクニシャンは、威力を抑えた技を強化する。みだれひっかきやはたきおとすはそのわかりやすい例で、とんぼがえりならかけた圧力を交代につなげられる。ダブルアタックはノーマルタイプの物理ダメージを出せる。わるだくみで特殊方面に活路を開くこともできるが、とくこう60ではそれを主軸にするのは難しい。とっておきは強力なものの、ほかの技がすべて使えなくなっている必要があり、防御面の問題も解決しない。
ノーマルタイプなのでゴーストタイプの攻撃を無視でき、相手の行動を読んだ場面では役立つ。ただし、ゴーストタイプのポケモンはノーマルタイプの技を無効化できる。いわとはがねタイプにはタイプ一致技を半減され、かくとうタイプの相手からは効果抜群のダメージを受ける。消耗、まひ、やけどによって、行動できる余地はさらに狭くなる。
ほかの霊長類や高速アタッカーとの比較
ザングースと比べると、エテボースは攻撃力と耐久を犠牲にして、より高い素早さととんぼがえりを得ている。チラチーノとは連続技を活かす発想が共通しているが、技構成と特性によって目指す戦い方は異なる。ナゲツケサルは対照的な存在で、物理攻撃を受ける場面でも出しやすく、特定の交代に対してより強く負荷をかけられる。一方、エテボースは無防備にならないよう主導権を維持する必要がある。
高レベルのシングルバトルでは、目立った競技向けの選択肢とはいえない。ダメージがノーマルタイプの技や、耐性持ちを突破しきれないこともあるサブウェポンに依存しすぎるためだ。通常のプレイなら使いやすい役割がある。序盤のターンを速く進め、もろい相手を仕留め、はたきおとすやとんぼがえりで交代を咎められる。相手に物理受け、ゴーストタイプ、かくとうタイプの対策が残っているなら、2本のしっぽだけでは十分な強みにならない。