モロバレル徹底解説
モンスターボールの間にいるキノコ
デザインの出発点は、幅広いかさを持つキノコで、特にベニテングタケを思わせるビジュアルが取り入れられている。そこに、モンスターボールのふりをするというゲームならではの発想が加わった。かさがモンスターボールの上半分に見え、両腕もそのおとりを繰り返しているため、この仕掛けはわかりやすい。進化系には、「a fungus among us」に通じる英語の言葉遊びもあり、ほかのものにまぎれて隠れる奇妙な存在というイメージを強めている。
日本語名のモロバレル(モロバレル)は、「もろに」と「ばれる」を組み合わせたもの。変装があまりにもわかりやすい生き物なので、このダジャレがよく合っている。英語名のAmoongussは、fungusとキノコ属のAmanitaを思わせる要素を組み合わせ、さらに大きな生物という印象も加えている。直訳に頼らなくても、種族と見た目の両方を名前で表現できている。
不器用なおとりからチームの一員へ
第五世代で登場して以来、くさ・どくタイプ、タマゲタケからの進化、キノコのほうしへのアクセスを保ち続けている。後の世代では技構成が変化し、一部のルールでは過去の技が使えなくなったり、別の技がわざマシンやレベルアップで覚えられるようになったりした。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』ではレベル54でキノコのほうしを覚え、攻略中にはどくどく、ギガドレイン、いかりのこななども習得する。
対戦での立ち位置は、技のリストほど大きく変わっていない。初期から、さいせいりょくとほかの防御寄りのキノコにはない耐性の組み合わせを活かしたサイクル要員として使われてきた。モジャンボは同じ枠を争う存在で、こちらのほうが物理方面で存在感を出しやすい。一方、モロバレルはキノコのほうしと、状態異常を直接押しつける使いやすさが強みになる。
遅いターンを活かす方法
まず相手の攻撃がみず・くさ・でんき・かくとう・フェアリーのどれかだと確認できた場面で繰り出したい。長く居座って殴り合うのが目的ではない。基本はキノコのほうしで相手の対応を迫り、相手が隙を見せたらギガドレインを使うか、交代してさいせいりょくを発動させる。相手が眠り無効の手段を持っているときや、チームに継続的な削りが必要なときは、どくどくのほうが使いやすい。
素早さ30にも実戦的な意味がある。多くの場合は相手の後に動くため、キノコのほうしやギガドレインを使う前に攻撃を受けられる。だからといって、何でも耐えられるわけではない。ほのお・ひこう・こおり・エスパー技には引かされやすく、相手がすでに眠りへの対策を使い切っていれば、積み技のための無料ターンとして利用されることもある。すぐにダメージを取りにいくより、十分なHPを残しておくことが重要だ。
キノコが生えるという細部
ポケモン図鑑の説明では、菌類を増やす力が誇張され、どんな場所でもキノコの足場にできるように描かれている。じっと動かない行動と、胞子が周囲に及ぼす効果の対比が印象を強めている。獲物を追いかけなくても、環境を変えてしまえるのだ。
モンスターボールに似せた姿も、それほど説得力があるわけではない。そもそも相手が変装を見破れる距離まで近づく必要があり、図鑑の説明でも、だまされるものはほとんどいないと強調されている。進化系では、タマゲタケのほうが小さく目立たないシルエットをしている。モロバレルはモンスターボールの形をした両腕を加えることで、仕掛けをよりはっきり見せる。この進化は擬態を洗練させるのではなく、より芝居がかったものにしている。