キレイハナ徹底解説
きれいな花と臭い花
日本語名のキレイハナは短い名前で、キレイと花を組み合わせたものだ。言葉遊びも裏の意味もない。英語名も別の方法で同じことをしていて、bellaとblossomをつないでいる。どちらの名前も言っていることは同じで、もう一方の分岐先――においとどくタイプを残したポケモン――と比べて初めて意味が出る。
この対比こそ、デザインの本当の面白さだ。クサイハナはよだれを垂らし、ひどいにおいを放つ。石を使うと、さらにひどいラフレシアになり、別の石を使うと鈴のような音を鳴らすダンサーになる。ポケモン図鑑もこの2つを直接結びつけていて、進化前のにおいがひどいほど、進化後は美しくなる。ちなみにラフレシアは現実にも腐った肉のようなにおいを放つ寄生植物なので、元の臭さは2つの分岐に共通している。こちらには、ただスカートをはかせたわけだ。
途中で変わったもの
たいようのいしとともに、『ポケットモンスター 金・銀』で登場した。たいようのいしは同じ世代で初めて登場し、当時の作品では手に入りにくいアイテムだった。4世代にわたって種族値は変わらなかったが、第六世代でぼうぎょが85から95に上がり、合計が480から490になった。小さな調整だが、とくぼうとぼうぎょの両方が90を超え、かなり対称的な配分になった。
もう1つの大きな変化は、数値ではなく技のラインナップにある。第二世代のキレイハナは、[はなびらのまい]、[ねむりごな]、あとは少しの技を持つくさポケモンだった。スカーレット・バイオレットでは、進化時にレベル1で[ちょうのまい]、[ムーンフォース]、[つきのひかり]、[はなふぶき]、[グラスフィールド]を使えるうえ、わざマシンで[ソーラーブレード]と[リーフストーム]も覚えられる。同じポケモンに、30年分の道具が積み重なった形だ。
普通のプレイで使うなら
対戦以外では、問題になるのはすばやさではなく、手に入るタイミングだ。クサイハナは早く出てくるのに、石は遅い。そのため、進化先を決めないまま終盤まで進むプレイも多い。進化させれば、得られるのは耐久力だ。とくぼう100で、ほかのくさポケモンなら倒されるような特殊技を受け止められるし、ねむりごなとギガドレインがあれば、アイテムを使わずに長期戦をこなせる。
普通の相手を相手にするなら、いちばん無理のない役割は、無効化されない特殊技を受けて後から出てきて、何かを眠らせ、回復する後衛だ。殴り合いに勝つ役割を求めてはいけない。とくこう90で晴れていなければ、同レベルの相手の多くに、より強く、より早く攻撃される。
ポケモン図鑑を横に置いて遊ぶ人向けに、1つだけ覚えておきたいことがある。進化によって活動時間まで変わる、珍しい例の1つだ。クサイハナは夜行性だが、こちらは昼行性。夕方になると花びらを閉じて眠りにつく。石はどくタイプを消すだけではなく、生活リズムまで変えてしまう。