デンチュラ徹底解説
電気を帯びたタランチュラ
デザインの出発点はタランチュラだが、黄色い毛、青と紫の部分、大きな目、配線のように機能する糸など、電気を示す視覚的な要素が加えられている。電気を帯びたネットという発想は電気柵を思わせるシンプルなもので、図鑑の説明にもよく合っている。デザインを担当したのは鶴田沙耶だ。
英語名のGalvantulaは、電気に関係する「galvanism」と「tarantula」を組み合わせたもの。日本語名のデンチュラはDentulaとローマ字表記でき、電気に関係する要素と「タランチュラ」を組み合わせている。バチュルからむしタイプとでんきタイプを受け継いでいるが、動物としての見え方は変わる。幼体は小さな寄生生物のように見え、成体になると巣の周囲に罠を張るハンターになる。
イッシュからパルデアへ
デンチュラは第五世代で初登場し、それ以来、同じ進化系統、同じタイプ、同じ種族値配分を保っている。登場する地域は一定しておらず、いくつかの地域図鑑では不在だったが、ガラルの追加コンテンツで復帰し、スカーレット・バイオレットの追加コンテンツにも再登場した。現在のゲームでも、電気と糸を組み合わせる素早いアタッカーという個性は変わっていない。
技を取り巻く環境も変わってきた。ねばねばネットはデンチュラに独自の役割を与えた要素で、ふくがんによってかみなりも特に活かしやすい。以前の世代では、主力技を半減するポケモンに止められないよう、ボルトチェンジ、エナジーボール、むしのさざめきといった技も評価されていた。基本の考え方は変わらない。ネットを張り、相手の対応を引き出し、そのターンを攻撃か交代に使う。
チームで求められるもの
108というすばやさが、実戦での最大の長所だ。攻撃的なデンチュラは、とくこうとすばやさを最大まで伸ばしたいことが多い。とくこう97によって、先手を取る力を失わずに相手へ圧力をかけられる。チームがねばねばネットを必要としているなら早めに使うべきだが、理由もなく捨てる必要はない。技で相手を削り、交代を迫ることもできる。
ふくがんはかみなりの信頼性を高め、雨のなかでは技の命中率が上がるため、あめとの相性も特にいい。雨以外では10まんボルトのほうがリスクが少ない。むしのさざめきはでんきに耐性を持つ相手を攻め、エナジーボールはじめんタイプをけん制し、ボルトチェンジはネットを張ったあとも攻撃の流れを維持する。エレキネットにもすばやさを下げる役割があるが、補完技に使いたい枠を消費しやすい。
限界は見えている
デンチュラの耐久は平凡だ。HP70、ぼうぎょ60、とくぼう60しかないため、何度も攻撃を受けに出すのは難しく、フィールドに危険な要素があるときはいわ弱点が特に重くなる。ほのお技を受けても場に残りにくい。とくぼうの高い相手には攻撃を耐えられやすく、エナジーボールを持っていなければ、じめんタイプにはでんき技を無効化される。
むしタイプのチームでは、オニシズクモとねばねばネット役の座を争うことになる。オニシズクモはより高い耐久と、ほのおへの別の対処法を持つ。一方、デンチュラはより速く、みずやひこうタイプの相手に強く圧力をかけられる。エレザードのようなでんきタイプのアタッカーと比べても、強みは単純な火力ではない。ねばねばネット、ふくがん、そして特殊技による圧力とすばやさ操作を組み合わせられる点にある。