キルリア徹底解説
写真に写るオーラ
名前の由来はキルリアン写真だ。ソビエト連邦でセミョン・キルリアンが広めた技術で、電場に置いた物体の周囲に生じるコロナ放電を記録する。結果として光る輪が写り、何十年ものあいだ生物の「オーラ」だと売り込まれてきた。そこからエスパータイプのポケモンにつながるまでの距離は短い。おもしろいのは、日本語名が変わっていないことだ。キルリアは英語名のKirliaと同じ読みで、ポケモンの日本語名が別の駄洒落になることの多いシリーズでは珍しい。
デザインは、隠しようもなくバレエを取り入れている。裾の広がった白い胴体はチュチュになっていて、脚はつま先で終わり、緑の髪はヘルメットのように垂れている。ポケモン図鑑はこの解釈をそのまま行動に落とし込んでおり、トレーナーが喜ぶと踊り、くるくる回る。
エスパー単タイプからフェアリーへ
第6世代まではエスパー単タイプだった。フェアリータイプの登場で、図鑑の半分が一気に変わった。あくタイプから受けるダメージは2倍ではなく等倍になり、ドラゴン技への無効耐性が加わった。その一方で、それまで存在しなかったどくと、はがねという2つの弱点が追加された。現在では基本技として覚えるフェアリー技も同じ変更で登場し、レベル1の チャームボイス、レベル12の ドレインキッス、レベル28の あまえる が加わった。これによって、以前なら一方的に崩されていたあくタイプに対して、等倍で攻撃できる技も持てるようになった。
1世代遅れで追加された分岐
第4世代で エルレイド が追加され、このラインには設計時点では存在しなかった分岐が生まれた。前の世代の種族に、何年もあとになって新しい進化先が開かれた珍しい例で、性別と道具の両方が条件になる。サーナイトへの進化は従来どおりレベル30だ。もう一方はオスに めざめいし を使う必要があり、その選択は取り消せない。
実用面では、まず性別を確認しなければならない点が重要だ。メスの キルリア は、何個石を使っても エルレイド にはならない。
将来性より技の多い中間形態
わざマシンのリストには、キルリアが本気で使えるとは思えないものもある。ほのおのパンチ、れいとうパンチ、かみなりパンチ、しねんのずつき、のしかかり。威力75、80、85の技が、こうげき35とぶつかっている。最終進化に物理アタッカーがいるから入っているのであって、この段階で役立つからではない。
レベル技の終盤も同じだ。レベル43の いやしのはどう、レベル48の ゆめくい、レベル53の みらいよち は、キルリアのまま見る人がほとんどいない。レベル30ですでに進化できるからだ。逆に序盤は事情が違う。レベル9の さいみんじゅつ とレベル12の ドレインキッス は、進化するレベル20より前に覚えるため、ラルトスから引き継いだ状態で使える。
野生で手に入れるのも、最初は簡単ではなかった。『ポケットモンスター ルビー・サファイア・エメラルド』ではどの道路にも出現せず、ラルトスを進化させるしかない。『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』以降はシンオウの道路で直接捕まえられるようになり、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』ではパルデアの東部と西部に出現する。『ポケットモンスター サン・ムーン』と『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』では姿を消したが、ホウエンから続いていたほぼ途切れのない登場にできた2つの空白だった。