コレクレー徹底解説
待ち伏せする宝箱
デザインの出発点は、非常に具体的な物体である宝箱だ。はこフォルムはRPGのミミックを思わせる。宝物に化け、開けようとした相手を襲う生き物だ。そこにゴーストタイプが加わることで、物質的な所有欲に結びついた霊という解釈が生まれている。触角としっぽは、地中に埋まった物を探すためのダウジングロッドを思わせ、目はコインのような形をしている。
神話的なモチーフも、その行動とうまくかみ合っている。英名には、離れた場所や死体、盗まれた財宝と結びつく存在である「ghoul」が含まれている。図鑑の説明が描くのは、直接的な脅威だ。近づいた者を操り、コインを拾わせ、盗人の生命力を吸い取る。物の中に隠れているだけの受け身な幽霊ではない。動かない宝だと思わせ、相手がその間違いを犯すのを待つ存在なのだ。
複数の言語で「金をくれ」
Gimmighoulは、「くれ」を意味する口語表現の「gimme」と「ghoul」を組み合わせた名前だ。しつこく金を要求するように聞こえ、ほかの生き物を操ってコインを集めさせる性質にも合っている。日本語名のコレクレー(Collecurei)は、集めることを意味する「collect」と、霊を意味する「rei」を組み合わせ、さらに「これくれ」という日本語の表現にもかけている。ローカライズによって仕組みは変わっているが、コインを求める言葉遊びが中心にある点は共通している。
進化後の姿も、その方向性を強めている。サーフゴーは宝を完全に蓄えた状態を表すのに対し、コレクレーはまだ探し、盗み、集めている段階にある。999枚のコインを要求する進化条件によって、その関係が目に見える仕組みになっている。育てるだけでは足りず、執着そのものを満たさなければならない。
逃げ出す宝箱とコイン
はこフォルムととほフォルムは、同じ性格を表しているわけではない。前者は隠れて動かず、他者を使ってコインを手に入れる。後者は宝箱なしで移動し、コインを背負い、誰かに気づくと逃げる。パルデアでは、とほフォルムがコインの供給源になる一方、通常の野生遭遇で捕まえられるわけではない。この違いが、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』で手に入るのがはこフォルムであり、とほフォルムが『Pokémon GO』と結びついている理由になっている。
デザイン上の対比は、ミミッキュのようなほかのゴーストポケモンも思わせる。どちらも物や外見を使って本性を隠しているが、コレクレーは愛情や受け入れられることを求めてはいない。偽装は罠として機能する。また、デスカーンとは、霊と葬送用、あるいは古い容器との結びつきを共有している。ただし、こちらで視線を集めるのは墓ではなく、富である。
ゆっくり始まる進化
コレクレーは第9世代で初登場したため、過去の世代に由来するデザインや特性、能力値の変更はない。進化ラインは最初から、小さな収集癖のある霊が黄金の姿へ変わっていく流れを軸に作られている。対戦では、はこフォルムは遅い特殊アタッカーとして、またノーマルやかくとう技へのピンポイントな受け先として使うのが向いている。シャドーボールはタイプを活かし、パワージェムは特定の相手を狙い、わるだくみは相手が圧力をかけられないターンに負担を与える。
特性のびびりは、素早さの上昇が本当に役立つ場面に温存したい。あくやゴーストの攻撃で発動させても、脆さがなくなるわけではなく、すばやさ10という制限も依然として重い。ひかりのかべやリフレクターが余裕を作り、ねむるで回復もできるが、行動が遅れたあとに眠ると、隙の大きいターンが生まれる。倒したときに得られる努力値は特攻1で、進化前に担う役割とも一致している。