ゴチルゼル徹底解説
喪服姿の占星術師
人型の姿とゴシックファッションを組み合わせたデザインだ。重ね着のような服装、白いリボン、頭部の形は人形やヴィクトリア朝・エリザベス朝を思わせるドレスを連想させる。一方、占いとの結びつきは、魔法や魔術と関連づけられることの多いゴシックな少女の一般的なイメージにつながっている。典型的な天文学者のローブを着ているわけではなく、体全体が星を読むという演劇的な解釈を中心に組み立てられているように見える。
英語名は「Gothic」と、若い女性へのフランス語の敬称である「mademoiselle」を組み合わせたもの。日本語名のゴチルゼルは、同じゴシックな優雅さと女性的な称号のイメージを残した Gothiruselle とローマ字表記できる形になっている。どちらの名前も、具体的な動物より美学的な印象を重視している。特定の動物をモデルにしたものではなく、サイコパワーを持つ洗練された人の姿が出発点だ。
ランクルスとの対照
ゴチルゼルはランクルスといくつかの構造的な特徴を共有している。どちらも第五世代で初登場し、3段階の進化系統で、最終進化の種族値合計は490、進化するレベルも近い。この比較が有効なのは、両者の役割がかなり早い段階から分かれているからだ。ランクルスは特殊な攻撃圧力をより高めているのに対し、ゴチルゼルは特殊耐久と相手のコントロールを重視している。
この違いは、バトル中の立ち回りにも表れる。ランクルスはターンを攻撃や積みに使いたがるが、ゴチルゼルは交代を封じ、状態異常技を止め、体力を維持するほうを好む。どちらも素早さは高くないが、ゴチルゼルは物理方面から強い攻撃を受けたときに、ミスを許される余地がさらに小さい。
かげふみから現代的なコントロールへ
ゴチルゼルは第五世代で、かげふみを隠れ特性として登場した。第六世代では通常の特性の選択肢にかちきが加わり、ゴーストタイプのポケモンがかげふみに対して無効になった。この変更で場に縛れる相手の数は減ったが、ゴーストタイプではない受け寄りの相手に対する有用性まで失われたわけではない。
それ以降の世代でも、捕まえて、消耗させ、サポートするという中核は変わっていない。使える技の変化によって、トリックルームのチームやダブルバトルの戦術にも組み込まれるようになり、ほとんど攻撃しなくても、耐久のあるポケモンとして採用する理由を作れる。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』でも、主力アタッカーではなく、サポートとコントロールを担う立ち位置を保っている。
無償で倒されないための使い方
ゴチルゼルをどんな相手の前にも繰り出すのは避けたい。むし、ゴースト、あくタイプへの弱点はあまりにも突かれやすく、HP70では万能な壁にはなれない。大きなダメージを受けにくい相手に出し、かげふみを活かしたうえで、消耗させるのか、トリックルームを展開するのか、別の味方のために道を開けるのかを早めに決める必要がある。
物理アタッカーに対しては、あまえるで圧力を下げ、回復のターンを作れる。状態異常技に頼る相手には、ちょうはつで回復や場の準備を防げる。ねむるはゴチルゼルを戦線に残すが、2ターン眠ることで、相手に対策を整える時間を与えかねない。サイコキネシスは安定した攻撃技で、みらいよちはより大きなダメージを狙える一方、ダメージが発生するターンをあらかじめ計画しておく必要がある。
かちきには、能力を下げられた相手に繰り出して特攻を上げるという、はっきりした用途がある。それだけで素早いアタッカーに変わるわけではない。おみとおしは、場に出たときに情報を得られる特性で、相手が防御寄りの持ち物や、対面を変える道具を持っているか確認するのに役立つ。キーのみを野生の個体が持っていることがあるのは、厳かな姿で登場する種族でありながら、冒険中には身近な道具と結びついているという点で、どこか納得できる要素だ。