スリーパー徹底解説
夢を食べる者と銀の輪っか
進化ライン全体の元ネタは、悪夢を食べてくれるよう頼まれる日本の神話上の存在、獏だ。図鑑も*スリープ*について、あの伝説の獣の末裔だと遠回しにせず書いている。面白いのはスリーパーへの移行だ。バクは立ち上がり、縞模様の腹を失い、たてがみと振り子を手に入れる――獲物を探しながら光らせる、平たい銀の輪だ。動物ではなくなり、プロになる。
名前も、2つの言語で同じ道を進んでいるが、雰囲気は違う。日本語ではスリーパー。眠る者、あるいは眠らせる者という意味で、前の姿のスリープからそのまま続いている。英語ではdrowsyをもじったDrowzeeに対し、hypnosisを切り取ったHypnoが選ばれた。日本語は結果を説明し、英語は方法を説明している。
第2世代が変えたもの
『ポケットモンスター 赤・緑』では、特攻と特防は分かれていなかった。攻撃にも受けにも同じ数値を使い、その数値が115だった。エスパータイプをほとんど止められなかった世代では、それだけで強く攻撃でき、強く耐えられた。
第2世代でその能力は2つに分けられ、115は防御側に残り、攻撃側は73になった。昔のデータのうち、良い半分を失ったわけだ。同じ変更の中で登場したあくタイプは、エスパー技を無効にし、弱点を突いてくる。同じポケモンに2発続けて殴られたようなものだ。
特性はあとから、段階的に追加された。まずふみん、第4世代からよちむ、そしてさらに後になって隠れ特性のせいしんりょく。どれも攻撃力を取り戻してはくれなかった。
カントーのもうひとつのエスパーとの比較
同じ世代、同じタイプの*フーディン*は、正反対の鏡だ。片方が素早さと特攻に振るところを、もう片方はHPと特殊耐久に振っている。すでにエスパーアタッカーがいるチームに、こちらを入れる必要はない。そういうチームに足りないのは、受けに回れるポケモンであり、HP85と特防115ならそこに意味が出てくる。問題は防御70で、物理のむし技やあく技なら、良いほうの防御値が働く前に倒される。
残りの技構成も、できる範囲で収まっている。レベル1のすりかえと、わざマシンのトリックは相手と持ち物を入れ替える技で、重い道具を持たせれば、自分の持ち物に依存する相手への正当な対策になる。トリックルームは素早さの順番を逆転させるが、67は活かしきれるほど低い数値ではない。そしてねむるには落とし穴がある。ふみんは、わざと眠ることも含めて眠れなくするため、状態異常から守ってくれる特性が、わざマシンで覚える唯一まともな回復手段まで奪ってしまう。よちむかせいしんりょくなら、ねむるとねごとの組み合わせが再び使える。