ケルディオ徹底解説
聖剣士のなかの子馬
ケルディオは、文学作品の三銃士をモチーフにしたコバルオン、テラキオン、ビリジオンのグループを完成させる存在だ。3体のベテランが後見と経験を表すのに対し、子馬であるケルディオは、彼らと並ぶ資格をまだ証明しなければならない弟子の立場にある。ポケモン図鑑の説明でもその点が強調されており、旅をし、修行を積み、成長につながる戦いを求めている。
デザインは若い馬と、民間伝承に登場する水の生き物を組み合わせている。ケルピーが水との関わりを示し、麒麟が角と、ありえない場所を進む生き物のイメージを加えている。かくごのすがたで頭に生える3枚の羽は、師匠たちを表している。剣へと変わった角は、厳しい戦いを乗り越えたあとに目覚める力を形にしたものだ。
名前と2つの顔
日本語名のケルディオは、英語とスペイン語でもKeldeoと表記される。語源はケルピーと、蹴りや馬に関連する言葉を組み合わせたものと考えられており、見た目や戦い方ともよく合っている。実際のデザインは名前以上にその関係をはっきり示している。ひづめ、たてがみ、角、水上を進む姿が、グループ内でも独自のイメージを作り上げている。
かくごのすがたは『ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2』で登場した。しんぴのつるぎを覚えると変化し、修行の物語を強調する仕掛けになっている。グループの一員であるだけでは足りず、師匠たちに関係する技も使いこなさなければならないからだ。後の作品でも、その技と姿の結びつきは個性のひとつとして保たれている。
戦士の脚を持つ特殊アタッカー
対戦では、129の特攻と108の素早さを生かして、正面から攻める運用が基本になる。ハイドロポンプはみずタイプを半減しない相手に大きな穴を開け、なみのりは威力と引き換えに安定性を得る。しんぴのつるぎがあるため、防御が高い特殊受けでも完全には安心できない。相手がタイプ一致技を警戒して交代するときは、めいそうを積む機会にもなる。
物理アタッカーとして扱うのは向いていない。インファイトやせいなるつるぎには十分な威力があるものの、72の攻撃は特殊方面の能力を大きく下回る。せいぎのこころもその配分を補うものではない。あくタイプの技を受けて攻撃が上がっても、物理技を中心に構成していなければ活用しにくい。
タイプの組み合わせによって、みず、ほのお、いわ、はがね、こおり、あく、むしに対して後出ししやすい。くさ、でんき、フェアリー、ひこう、エスパーに弱いため、場に出すタイミングは慎重に選ぶ必要がある。組ませる味方には、耐久の高いみずタイプや、主力技を受け止めるくさタイプを崩す役割が求められる。
育成ではなく特別な入手方法
捕捉率3という数値は、単独の種族としての立ち位置に合っている。通常の野生遭遇や、育て屋で増やせるポケモンとして設計されているわけではない。入手には、対応する作品の配布、転送、特別な入手方法が必要になる。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、別の対応作品ですでに入手していれば、Pokémon HOMEから連れてこられる。
80のタマゴふかサイクルがあっても、この事情は変わらない。タマゴを作れないためだ。進化によって入手までの道のりが短くなることもない。いつものすがたとかくごのすがたの変化は、ひとつの技、しんぴのつるぎにかかっている。角や羽、ポーズは変わるが、種族値の配分はそのままだ。