テッカニン徹底解説
抜け殻がゲームの仕組みになった
セミは一生の大半を幼虫として地中で過ごし、地上に出ると木につかまり、動物の形をそのまま残した空っぽの殻を脱ぎ捨てる。ツチニンの進化ラインは、この習性をゲームのルールに変えた。目が見えず地中で暮らす幼虫、勢いよく飛び出す羽の生えた成虫、そして文字どおり置き去りにされた皮。テッカニンは去っていく側で、ヌケニンは木に張りついたまま残る側だ。HPが1しかなく、ポケモン図鑑にも空っぽだと説明される。
そこに加わるのがニンジャの仮装だ。目の上の暗い帯、黒と黄色の配色、灰色の爪、そして目で追えないほど速く動くというイメージ。姿を消すニンジャの伝説と、絶えず羽音を立てる虫の生態が、最終的には同じポケモン図鑑の説明を形づくっている。
テッカニンと鉄仮面の男
日本語名のテッカニンは、忍者(ninja)と、赤熱した鉄を意味し、速さや向こう見ずさにもつながる鉄火(tekka)をもとにした名前だ。WikiDexはさらに、鉄仮面の男を意味する鉄仮面(Tekkamen)も由来として挙げており、顔を横切る帯とよく合っている。英語名はもっと単純で、ninjaとmaskの2つを組み合わせたものだ。スペイン語では、ほぼ第三世代全体と同じく、英語名を変えずに使っている。
穴のある技リスト
なぜもっと使われないのかは、覚える技を詳しく見るとわかる。こうそくいどうをレベル15、シザークロスを64で覚えるあいだに、『ポケットモンスター ブリリアントダイヤモンド・シャイニングパール』のレベル技リストでは、23ですいとる、29でむしくい、36で1回あたり威力18のみだれひっかき、43でこころのめを覚える。すばやさ160、こうげき90の虫が、40レベルにわたってそのどちらの数値も活かせる攻撃をひとつも受け取らない。わざマシンも見た目ほど助けにならない。むしのさざめきは威力90だが特殊技で、こうげきとくこう50では割に合わない。はかいこうせんとギガインパクトは威力150でも、反動で次のターンに動けないこととタイプのせいで、同じように候補から外れる。
2つの特性のうち、テッカニンを有名にしたのはかそくだった。第三世代では珍しい特性で、もうひとつの特性枠には当時ぼうおんが入っていた。ゲームデータには残っていたものの、実際には一度も機能しなかった特性で、鳴き声が頭痛を引き起こすポケモンにとっては、意図せぬジョークになっている。すりぬけはあとから隠れ特性として追加された。
*アギルダー*のような、速くて脆いほかの虫と比べると、足りないのは速さではなく、その速さの使い道だ。*ストライク*のようにタイプが同じで、しかも筋力のあるポケモンと比べれば、違いははっきりしている。テッカニンはどんな戦闘でも最初のターンを取るが、2ターン目を失う。