チョロネコ徹底解説
遊びで盗むネコ
ポケモン図鑑の説明では、チョロネコの行動がかなり具体的に描かれている。相手の気をそらし、盗み、だまされた人の反応を見る。食料を得るためでも、縄張りを守るためでもない。遊びや、他人が困る様子を見るために盗むのだ。その動機は、シリーズに登場するほかのネコ系ポケモンとは異なる。ほかのネコ系ポケモンでは、道具との関わりが金銭や欲深さ、資源の確保に結びつくことが多いからだ。
英語名もこの読み方を補強している。purr はゴロゴロいう音を指し、purloin は盗むという意味なので、おとなしく見える姿と不正な行動をひとつの言葉遊びにまとめている。日本語名の チョロネコ Choroneko はネコの要素を残しつつ、こっそり逃げるイメージを加えている。家猫らしい見た目と、気づかれずに忍び込み、何事もなかったように出ていく怪盗のイメージが、コンセプトを完成させている。
警戒をゆるめさせるためのデザイン
穏やかな表情は、行動とは別の飾りではない。それ自体が道具として機能しているのだ。盗まれた相手があとから許してしまうのは、見た目によって危険を感じにくくなるから。かわいらしいしぐさのあとに攻撃が来るという対比は、ポケモン図鑑の説明にも表れている。
チョロネコは、盗みと結びついた別のあくタイプ、ニャースとライバル関係にある。違いは方向性だ。ニャースは食べ物を盗み、証拠をほとんど残さないキツネとして描かれるのに対し、チョロネコはだました相手の反応を楽しむ。また、ニャースともテーマ上の共通点があるが、ニャースが硬貨やお金と結びつくのに対し、チョロネコが求めるのは他人を困らせる楽しさだ。
ガラルに登場して変わったこと
チョロネコは第5世代で初登場し、『ポケットモンスター ソード・シールド』ではガラル地方のポケモン図鑑に加わった。これらの作品での技構成は、ネコらしい攻撃、妨害手段、あくタイプの技を組み合わせたものになっている。初期レベルからひっかくとなきごえを覚え、レベル5でねこだまし、レベル21でしっぺがえしを習得する。その後はふいうち、わるだくみ、つじぎり、じゃれつくを覚える。
わるだくみによって特殊型を目指す道もあるが、能力値がそれを支えきれない。とくこう50では、防御面のもろさを補うには足りない。自然な役割は、相手を邪魔することであって、相手のチームを一掃することではない。以前の世代でも変化技と場の位置取りに頼っており、とんぼがえりを覚える作品では、その役割がさらに広がる。
ターンを無駄にせず活用する方法
特性のいたずらごころが、最も得意な使い方を決めている。でんじはは危険な相手の動きを遅くし、ちょうはつは防御的な戦術を止め、アンコールは役に立たない技を繰り返す相手をとがめる。そのあと、とんぼがえりでバトルの主導権を保てる。この流れは、場を整えたり、能力を上げたり、変化技を使ったりすることに頼る相手に対して特に機能する。
かるわざは使い道が限られる。すばやさを2倍にするには道具を失うか消費しなければならず、そのぶんチョロネコは防御手段のひとつを失うからだ。じゅうなんはまひを防げるものの、いたずらごころほど相手をコントロールできない。進化前のみが参加するリトルカップでは、いたずらごころととんぼがえりによって、はっきりしたサポート役を担える。それ以外のルールでは、ぼうぎょ37、とくぼう37という数値のため、より耐久が高い種族や攻撃性能に優れた種族を差し置いて採用するのは難しい。レベル20でレパルダスに進化するため、チョロネコは長く主力アタッカーとして使うためではなく、短い成長期を担うように設計されている。