ダイケンキ徹底解説
海のラッコから鎧の戦士へ
このラインのデザインを担当したのは大村祐介。ミジュマルはラッコを出発点としているが、最終進化を単に大きくしたラッコ以上のものにするため、別のモチーフが探された。アシカの力強さがダイケンキの体格と存在感を生み、鎧と刀はサムライの姿から取り入れられている。
進化の段階にも明確な考え方がある。ミジュマルは子ども、フタチマルは若いサムライ、ダイケンキは軍の指揮官を表している。そのため、フタチマルから最終進化形への見た目の変化はかなり大きい。単に体が大きくなるのではなく、貝殻を武器にする見習いから、鎧に武器を組み込んだ戦士へと変わる。
刀と地位を込めた名前
「Samurott」は「samurai」と「otter」を組み合わせた名前で、主な2つのモチーフをそのまままとめている。日本語名の Daikenki は、大剣、鬼、恐ろしい姿の剣士への言及を組み合わせたものだ。前脚に隠した刀を中心に個性を形作るポケモンに、よく合っている。
ポケモンずかんでは、その動作の速さが何度も強調されている。刀を一瞬で抜き、納めることができるという。戦いも、正確さと威圧感がものをいうものとして描かれる。一太刀で相手を倒し、視線だけで黙らせるのだ。
世代ごとに変わったこと
ダイケンキは第5世代で、ミジュマルの最終進化形として登場した。それ以来、通常の姿ではみずタイプ、種族値、げきりゅうとシェルアーマーの組み合わせを保っている。ヒスイのすがたが登場したことで、別の見た目とタイプの地域フォルムが加わったが、イッシュ地方の姿としての個性は変わっていない。
過去世代の対戦では、攻撃と特攻を両立させる珍しい配分によって居場所を得た。第5世代では、つるぎのまいとアクアジェット、メガホーンを使う型や、特殊側からハイドロポンプとれいとうビームで攻める型が存在した。どちらの型か分からないため、同じ受けポケモンをいつでも繰り出せるとは限らなかった。後の世代でもその柔軟性は残ったが、みずタイプ同士の競争が激しくなり、素早いポケモンの脅威も増えたことで、使用率は下がっていった。
求めすぎずに活かす方法
通常のプレイでは、物理、特殊、両刀のどれで攻めるかを早めに決めるといい。つるぎのまいは、すでにHPを減らした素早い相手をアクアジェットで仕留める動きと相性がいい。防御を崩したいなら、ハイドロポンプとれいとうビームで物理アタッカーを想定した相手を攻められる。メガホーンは、一部のくさタイプやエスパータイプに有効だ。
げきりゅうはHPを限界近くまで残すことで活きるが、削られすぎた状態で戦わせるのは危険だ。特防と素早さが低いためである。最も分かりやすい脅威はでんきタイプとくさタイプで、先手を取られて一撃で倒される相手も苦手だ。HP95と防御85のおかげで、等倍の物理技なら受けられるものもあるが、壁役として扱えるほどではない。
ライバルとは異なる進化ライン
オーダイルと比べると、ダイケンキは物理面への特化を抑える代わりに、特攻108とより均整の取れた配分を持つ。カブトプスと比べれば、HPと防御が高く、攻撃手段を一つのプランに依存しにくい。この器用さは、素早さ70のせいで高速戦に向かない点を補いきれない。それでも、ストーリー攻略のパーティ内で役割を変えやすい理由にはなっている。
性能は、それぞれのゲームで使える技にも大きく左右される。ハイドロポンプ、なみのり、れいとうビーム、つるぎのまい、アクアジェット、メガホーンを使えるため、複数の方向から攻められる。対応範囲をそこまで広げる必要がない場合は、まもる、アンコール、ちょうはつで耐久寄りの相手からターンを奪える。『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』では、テラバーストに加えて、こおり、じめん、かくとう、あくタイプの技も使えるため、でんきとくさが弱点であることは変わらないものの、取れる選択肢が増えている。