ヤドキング徹底解説
借り物の王冠
日本語名のヤドキングは、「宿」を意味する「やど」に「キング」を組み合わせたものだ。この「やど」はヤドン、ヤドランから続く一族全体の名前にも残っており、両者の関係を正確に表している。シェルダーは王冠ではなく、住みついた入居者なのだ。英語名のSlowkingはもっと平板で、受け継いだ遅さを表す「slow」と王冠の「king」を合わせている。宿の言葉遊びは失われた一方、ゴレと直立した姿勢でデザインが押し出す王族らしさは残っている。
皮肉は丁寧に組み立てられている。一族で最も頭のいい生き物が賢いのは、寄生生物に脳へ毒を注入されたからであり、その知性は寄生生物がそこに居続けることに依存している。シェルダーを取り除けば、ただのヤドンに戻ってしまう。
同じ配分を分けた2匹
ヤドランとヤドキングは同じ490の種族値を持ち、タイプも3つの特性も共通している。6つの能力のうち4つも一致する。HP95、こうげき75、とくこう100、すばやさ30だ。違いは防御の2項目だけで、きれいな入れ替えになっている。ヤドランはぼうぎょ110、とくぼう80、ヤドキングはその逆で、ぼうぎょ80、とくぼう110だ。同じ姿をした2匹が、フィールドの反対側に向けて調整されている。
そのため、選択は好みではなく、相手の問題に応じて決まる。物理技にはヤドラン、特殊技にはこちらだ。使える道具も同じではない。さむいギャグはヤドキング専用で、背後にさいせいりょくがあれば、引っ込むことは後退ではなく能動的な一手になる。
おうじゃのしるしと、その影響
進化を引き起こす道具は、ヤドキングのためだけに作られたものではない。おうじゃのしるしは同じ手順――道具を持たせて通信交換――でニョロゾをニョロトノにも進化させる。また、通常のバトルでは、攻撃を受けた相手をひるませる確率を少し上げる。時代の変化で扱いづらくなった進化方法のひとつで、2人目のプレイヤーを必要とするため、何年ものあいだ、ひとりで遊ぶ人を置き去りにしていた。
さむいギャグが登場したのはずっと後、第9世代になってからで、ヤドキング専用の技として追加された。天候を発生させながら、その行動の中で使用者を交代させるゲーム唯一の技で、5ターンのあいだゆきを降らせ、こおりタイプのぼうぎょを上げつつ、チームの位置を組み替えられる。
ゲームの外で最も印象に残る役割は、第2作の映画だ。そこでヤドキングは島の守り手を務め、何が起きても動じない様子で人間の言葉を話す。どんな状況でも取り乱さないという、最初の図鑑説明にも忠実な姿である。