リングマ徹底解説
胸の模様こそ名前
リングマは文字どおり「輪のクマ」を意味する。英語の ring に、クマを意味する日本語の kuma をつなげた名前だ。その輪とは胴体の黄色い模様で、実際には閉じた円ではなく三日月になっている。英語名も別の道から同じ場所にたどり着く。クマを意味するラテン語の ursa、そして同じ ring の組み合わせだ。スペイン語では第二世代のほとんどと同じく、そのままの名前が採用された。
この細部には立ち止まる価値がある。25年間、その模様はただの飾りでしかなかった。1999年に誰かがクマの胸に月を描き、2022年になるまで誰もそれ以上の意味を持たせなかった。
だいこんごうせき
『Pokémon LEGENDS アルセウス』では、満月のときにリングマにだいこんごうせきを使うとガチグマに進化する。二足歩行の姿勢が四足歩行に変わり、じめんタイプが加わる進化だ。この進化によってデザイン全体の読み方が過去にさかのぼって変わる。胸の月は最初から最終形を予告していた。ヒメグマの爪が、掘る習性を予告していたのと同じだ。ヒスイでは、この種族にこれまでのどのゲームにもなかった物語上の重みまで加わった。
満月という条件は、レベルや道具、なつき度ではなく、世界の状態に結びついたシリーズでも数少ない進化条件のひとつだ。『スカーレット・バイオレット』でも同じ条件で進化できる。
ゲームごとに不規則な登場歴
『ポケットモンスター 金・銀』で初登場して以来、明確な規則もなく登場したり外れたりしてきた。『サン・ムーン』には登場せず、『ソード・シールド』にもいない。その後『Pokémon LEGENDS アルセウス』で復帰し、『スカーレット・バイオレット』にも残った。登場するときの扱いはどの作品でも似ている。森や山のエリアに現れ、見つける時期のわりにレベルが高く、その時点の多くのパーティを上回る攻撃を持っている。
長い腕と短い脚の問題
リングマは、動きの遅いノーマルタイプの物理アタッカーの半ダースほどと似た立ち位置にいるが、比較するとほとんどで負ける。ケッキングは2ターンに1回休むとしてもはるかに強く、ノーマルタイプの壁役はリングマが耐えられない攻撃にも耐える。リングマは中途半端だ。攻撃130は確かな数字だが、素早さ55では主導権を取れず、残り3つの防御系種族値が75なので、そこそこの威力のかくとう技を受ければ控えに送られる。
残された道は、こんじょうが示すものだ。わざと状態異常になって攻撃を50 %上げ、からげんきを使う。かえんだまかどくどくだまなら戦闘開始時から発動でき、その後は反動なしの威力140の一撃を放てる。理屈の上では傷ついているポケモンから出る火力だ。ガチの対戦環境で十分だったことは一度もないが、からげんきを覚え、こんじょうを持つポケモンが登場するたびに同じ型が再登場する理由は、これで説明できる。