キチキギス徹底解説
名前に込められた幸運を持つキジ
英語名のFezandipitiは、キジを意味する「pheasant」と、思いがけない幸運を意味する「serendipity」を組み合わせた名前だ。美しい鳥の運命が予想外に変わるというイメージに合っている。日本語名のキチキギスは、「幸運」を意味する「きち」と、「キジ」の古い読みである「きぎす」を組み合わせている。
最もはっきりしたモチーフは、日本やキタカミの里のモデルとなった地域にゆかりのあるコウライキジだ。羽毛やシルエットには、毒の羽を持つ伝説上の鳥、鴆の面影もある。毒の要素は見た目だけにとどまらず、どくタイプとどくのくさりにも表れている。
物語の中の三匹目の鳥
モモワロウと従者たちの関係は、日本の昔話である桃太郎を思わせる。その物語では、犬、猿、キジが主人公に同行し、鬼と戦う。モモワロウが、イヌ、サル、鳥で構成された三匹を従えていることを考えると、この対応はより明確になる。
ともっこさまの鎖は、神道の儀式で使われるしめ縄を思わせる。キチキギスの場合、鎖は帯に似た形も取っており、見た目や身だしなみとの結びつきを強めている。こうして三匹は、イイネイヌの力、マシマシラの知恵、キチキギスの美しさという3つの概念を軸に構成されている。
競技シーンで過去を持たない新種族
キチキギスは第九世代で初登場したため、過去の世代から引き継いだ種族値や特性、技の変更はない。対戦での歴史は、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』から直接始まる。
特殊技を受けながら場に出て、状態異常をばらまき、とんぼがえりで流れを維持できる耐久寄りのサイクル要員を必要とするチームに向いている。はねやすめで場に居座れる時間を延ばし、こごえるかぜで、より遅い味方が先手を取るのを助けられる。ムーンフォースはドラゴンやかくとうタイプに有効で、ダストシュートはどくタイプのタイプ一致技としてフェアリーに圧力をかける。
万能な受けとして使うのは避けたい。強力な物理技はぼうぎょ82を突き、じめん、エスパー、はがねタイプの相手には読み合いを迫られる。どくのくさりも、すべての対面を解決するわけではない。どく状態にならないポケモンにはこの消耗が通らず、みがわりにはダメージも特性の発動も防がれる。
美しさを圧力に変える
キチキギスの価値は、効果的に攻撃できない相手に何度も繰り出せる場面で発揮される。ドラゴン技を無効化し、かくとう、フェアリー、あく、くさ、むしに耐性を持つため、交代の機会が多い。その後はちょうはつで変化技を封じたり、とんぼがえりでターンの主導権を維持したり、ベノムショックやアシッドボムでどくタイプの攻撃を続けたりできる。
テクニシャンは威力の低い技を軸にした別の選択肢を開くが、とくこう70をそれだけで補えるわけではない。こうげきに振ればダブルウイング、ポイズンテール、チャームボイスなどを活かせるものの、サポート役なら、とくぼう125とすばやさ99を活かすほうが向いている。登場したときの脅威は、一撃で相手を倒すことではなく、攻撃するたびにもうどくを受けるかもしれないと警戒させることにある。