オーガポン徹底解説
期待された役割を担わない鬼
オーガポンのデザインは、角とこん棒を持つ姿で描かれることの多い、日本の伝承に登場する鬼をもとにしている。キタカミの舞台設定は、祭りや日本北東部の説話と結びついており、お面は能や狂言も思わせる。日本語名のオーガポンは、英語とスペイン語でもそのまま使われている。「Oger」はogreに、「pon」はポンカンというかんきつ類の一種と、日本語の親しみを表す接尾辞に関係している。オレンジ色の顔とつるでできた体は、鬼と果実のなる植物を組み合わせた姿に合っている。
失われたお面の物語
オーガポンは第9世代で初登場し、それ以前は入手できなかった。物語はポケットモンスター スカーレット・バイオレットの『碧の仮面』で描かれる。長いあいだ、キタカミの住民は鬼の過去を誤って解釈し、その話を祭りの伝統にしていた。冒険を進めると、その物語は正される。お面はともっこに盗まれ、その中には*イイネイヌ*、*マシマシラ*、*キチキギス*が含まれていた。そしてオーガポンは、自分を脅威として語ってきた相手と向き合うことになる。
4つのすがたは進化でも、恒久的な変身でもない。持たせたお面によって決まり、みず、ほのお、いわに加えて、くさタイプの基本形がある。テラスタルすると、それぞれ専用のお面が現れ、より大きく、表情も攻撃的になる。この細部によって、戦闘システムとキャラクターの記憶や物語が結びついている。
ほかのくさタイプのアタッカーとの違い
*ゴリランダー*のような種族と比べると、オーガポンはすばやさ 110と、攻撃面・耐久面の性質を変えられる4つのすがたが目立つ。数値を伸ばすために進化を待つ必要はなく、こうげき 120の状態で登場し、レベルアップでツタこんぼう、ウッドハンマー、ばかぢからを覚える。その一方で、とくこうは60。耐久も十分に高いわけではなく、攻撃的なチームでよく見る弱点をいくつも抱えている。
基本形ははたきおとす、とんぼがえり、つるぎのまいを活かしやすく、もっとも柔軟だ。ツタこんぼうは、相手がほのお、ひこう、どくで応じられないターンに使いたい。相手が能力を下げる技を使うなら、まけんきによって交換の計算が変わり、全抜きの機会を作れることもある。ただし、その効果をむやみに発動させるのは危険だ。こうげきが上がっても、弱点を突く攻撃へのもろさは変わらない。
自分専用の持ち物と結びついた種族
お面によって、オーガポンは第9世代でも珍しい種族になっている。持ち物はポケモンの見た目を変えるだけでなく、戦闘で使うすがたとタイプまで決める。戦う前に、くさタイプの柔軟性を残すのか、ほかのお面で特定の脅威に対応するのかを決めなければならない。
捕獲できるのは追加コンテンツの冒険中に一度だけで、捕獲率5という数字からも、その出会いが単なる通過点ではないことがわかる。取り戻したお面によって、4種類のすがたを別種族として扱わずに維持できる。小さなポケモンが仮面の奥に身を隠し、植物のこん棒を手にしている姿は、このキャラクターの中心にある矛盾をよく表している。伝説では怪物として語られるが、その物語は、ほかの者たちと一緒に暮らそうとしていた存在をめぐるものなのだ。