シードラ徹底解説
そのまま訳せる名前
シードラ、Shīdoraは「sea dragon」をそのまま読んだ名前で、そこに別の言葉遊びはない。だから英語名も何かを新しくひねり出す必要はなく、Seadraはスペイン語を含むすべての言語でそのまま使われた。ゲームフリークが最初から英語名として成立する名前を選んだ、数少ない例のひとつだ。元ネタは言葉だけではない。「シードラゴン」はPhycodurus属やPhyllopteryx属の魚の一般名で、タツノオトシゴに近縁であり、デザインに描かれたものとまったく同じようなトゲや付属器官に覆われている。
そこから生態設定もつながっている。子育てをするのはオスだという図鑑の説明は創作ではない。実際のタツノオトシゴは、オスの腹部にある育児嚢で卵を育てる。ポケモン図鑑はそれを取り入れただけだ。胸びれを使って後ろ向きに泳ぐという設定も、同じところから来ている。
第2世代が変えたもの
1996年のシードラは、十分にまともなポケモンだった。とくしゅ95は、その数値が攻撃にも耐久にも使われるゲームでは悪くなく、当時のみずタイプもかなり強かった。ところが『金・銀』は、その2つを同時に変えた。とくしゅが分割され、耐久側がとくぼう45になったことで、特殊攻撃に対して無防備になった。その代わりに登場したキングドラは、ドラゴンタイプと隙のない種族値配分を手に入れた。
この配分が、それ以来の系統を決めている。シードラを最終進化前のポケモンとして弱くしたのと同じ拡張で、もっと優れたポケモンの中間形態にもなった。わざわざ進化させずに止めておく理由はない。カントーで似た役割を担っていたスターミーと比べると、スターミーは物理と特殊の両方に同じように対応できる点が違う。
第4世代では、2つ目の特性としてスナイパーが追加され、さらに後になって夢特性のしめりけも与えられた。しめりけは、場にいるポケモンがだいばくはつやじばくを使うのを防ぐ。どちらもシードラの立ち位置を変えることはなかった。
トゲと渦
トゲの毒は、シードラが進化後より優れている唯一の要素だ。どくのトゲは触れただけで相手を毒状態にし、シリーズでもっとも具体的な説明では、繁殖期になると背中の毒が強くなるとされている。図鑑にここまで特殊な一文があるポケモンはほとんどいない。トゲが毒を持つ元ネタはタツノオトシゴではなく、ミノカサゴのような魚で、デザインは両方の要素を混ぜている。
渦については、ゲーム内で図鑑ほどの迫力は残っていない。わざマシンで覚えるたつまきの威力は35で、相手を数ターン逃げられなくするだけだ。漁船をのみ込むような技ではない。その説明にもっとも近いのはハイドロポンプだが、覚えるのが遅すぎるため、通常プレイではプレイヤーがりゅうのウロコを持たせたあとに覚えることがほとんどだ。
最後まで育てるなら
目的がキングドラなら、進化させるタイミングが重要になる。レベル44まで待って、進化前にりゅうのはどうを覚えさせる価値はある。威力85で、進化後に加わるタイプを活かせる技だからだ。レベル58のりゅうのまいは、こうげきとすばやさを上げるぶん、採用するかは悩ましい。キングドラも明確な物理アタッカーではないからだ。わざマシンの威力120のげきりんは例外になる。
通常プレイで困るのは、技と技の間にある空白だ。レベル25で威力65のバブルこうせんを覚え、その12レベル後に威力60のみずのはどうを覚えるため、その間に実質的な強化がない。あるのはこうそくいどうくらいだ。同じ時期に捕まえたギャラドスなら、特別な準備をしなくてもずっと強く殴れる。